■アニメ雑誌とアニパロの草分け的存在!『月刊OUT』
当時のアニメファンにとっては、みのり書房から発行されていた『月刊OUT』も思い出深い雑誌なのではないだろうか。創刊は1977年3月と、アニメ雑誌の老舗とも呼べる徳間書店の『アニメージュ』より1年以上も早い。サイズは大学ノートと同程度のB5版と小さく、当時はまだマイナーとされたアニメ作品を取り上げた数少ない媒体であった。
こちらも『ファンロード』と同じく読者投稿ページが充実した誌面作りだったが、イラスト主体で若年層も多かった『ファンロード』に対し、『OUT』は文章などネタ投稿が主体で年齢層も高め。投稿にはアダルト向けなネタも多く、たびたび話題となっていた。
そんな本誌で特筆すべきはやはり「アニパロ」だろう。アニパロとは既存のアニメを題材にパロディ化した漫画などの意味で、同誌から多くのアニパロ作品が誕生した。なかでもかわいい絵柄の浪花愛氏や岩崎摂氏、華やかな絵柄のやぎざわ梨穂氏などが人気を集め、連載陣には『機動警察パトレイバー』で知られるゆうきまさみ氏も名前を連ねていた。
後に『OUT』は隔月でアニパロ漫画を中心とした『アニパロコミックス』を刊行するが、ここでゆうき氏の『ヤマトタケルの冒険』や巣田祐里子氏の『Go! WEST』などオリジナル作品も掲載され多くのファンを獲得する。
だが、1995年5月号を最後に休刊、翌年にはみのり書房も解散。雑誌はなくなってしまったが今でも、当時のファンが自らを本誌の熱烈な読者を意味する「アウシタン」を名乗っているようだ。