■地上数十メートルからの転落から生還!

 最後に紹介するのは、やはり主人公のコナンが見せたスゴ技だ。コナンも蘭と同じように危険な目にあうことが多く、一歩間違えば死んでしまう状況に何度も直面する。その中でもとくに衝撃的な彼のシーンが描かれたのが、劇場版『名探偵コナン 異次元の狙撃手』である。

 物語の終盤、蘭や園子、少年探偵団は犯人のいるベルツリータワー内に追い詰められる。しかも停電でタワー内は真っ暗の中、暗視ゴーグルとサブマシンガンを装備した犯人は蘭を人質にとった。

 そのときコナンは離れたビルの屋上からタワーの状況を見守っていたが、蘭の危機を知って行動。伸縮サスペンダーを屋上の配管に引っかけると、迷わずビルから飛び降り、そのときに生じるサスペンダーの反発とキック力増強シューズの力を利用して、地上数十メートルの高さにまで飛び上がった。

 そして空中のコナンはボール射出ベルトから花火入りのボールを出すと、犯人のいるタワーに目がけて強烈なオーバーヘッドキックを放つ。その花火ボールはタワーの付近で爆発し、その明るさで犯人は視界を塞がれ、コナンの行動を待ち構えていた沖矢昴(赤井秀一)の狙撃によって蘭は救われた。

 さらにコナンがすごかったのは、そのあとである。地上数十メートルの高さまで舞い上がったコナンは手にしていたスケボーに乗り、伸縮サスペンダーによる反発の衝撃で折れ曲がった配管の上に着地。そのまま配管上を滑り降りて、元いた屋上に着地したのだ。

 もはや神業としか言いようがない計算されたスケボーテクニックがなければ成せない技で、絶対に誰にも真似できないだろう。

 

『名探偵コナン』に登場するキャラには、推理漫画という枠を超えた超人的な力を持つ者も多い。そういう部分が、単なる推理モノには表現できないインパクトと面白さを演出し、『名探偵コナン』が人気を博している一因になっているのかもしれない。

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