鳥山明氏の『ドラゴンボール』は、全世界で累計発行部数2億6000万部を記録した超人気作品だ。登場するキャラの強さは上限知らずで、主人公の悟空をはじめ、とてつもない強者ばかりである。
そんな中で「何故このキャラが悟空たちと肩を並べているのか?」と疑問に思ったキャラもいる。その最たる例がミスター・サタンである。
サタンの実力は、天下一武道会に参加する一般の格闘家たちとさほど変わらないレベルで、悟空一派の実力とは比べ物にならない。それにもかかわらず、セルや魔人ブウといった圧倒的な強敵との戦いの場にちゃっかりいて、そのうえ周囲の人間が一目置いてしまうような活躍も見せた。そこで今回は、そんなミスター・サタンが成し遂げた驚くべき偉業を、厳選して紹介していきたい。
■悟空たちの代わりに世界を救ったヒーロー!?
サタンの最初の“偉業”は、セルとの激闘のあとに成される。孫悟飯のかめはめ波でセルが消滅、悟空の仲間たちが撤退したあと、その戦いの場に残っていたのがサタンだ。
サタンは何が起こったのか分からないテレビ局のリポーターに、セルは自分が倒したと告げた。もちろんこれはサタンの虚言であり、まるっきりウソなワケだが、テレビ中継を通じて地球が救われたと世界中にアナウンスされると、真実を知らない人々は歓喜に包まれた。
「サタンはただのいいとこ取りでは?」と思われるかもしれないが、実はそれだけではない。もし悟空たちのような人類をはるかに超越する名もなき強者の存在が明らかになると、不安視、危険視する声が上がり、世界に混乱を招きかねない。それなら格闘チャンピオンとして知名度のある、サタンのような普通の人間が救ったことにしたほうが丸く収まる。
それに誰か分からない謎の人物が救ったというより、誰もが知っている有名人のサタンが救ったことにしたほうが世間が盛り上がるのもたしか。暗かった世界に活気が戻り、もしかすると破壊された都市の復興も早まるかもしれない。
そもそも悟空の一派は目立つことを避けていたのもあるので、サタンという存在は都合が良かったとも言えるだろう。本人は意図しなかったにせよ、結果的にサタンは悟空の仲間をはじめ、多くの人々を助けたと言っても過言ではないのだ。