子どもから大人まで楽しめる作品として長年愛され続けてきた『ドラえもん』。未来からやってきたロボット・ドラえもんが、四次元ポケットからさまざまなひみつ道具を取り出してのび太を手助けするストーリーだ。
夢のある便利なひみつ道具がある一方、中には使い方を誤るととんでもないことになりそうな危険な道具があるのもご存じだろうか。そこで今回は、そんな危うさを感じた少々ダークなひみつ道具の数々を紹介していこう。
■子どもには危なすぎ…!? 破滅させかねない「未来小切手帳」
コミックス18巻に「お金がわいて出た話」というエピソードがある。この回で、マンガ雑誌を買うためにママにお小遣いの前借りを頼んだが、あえなく断られたのび太。そこでドラえもんに泣きつくと、のび太に「未来小切手帳」というひみつ道具を手渡す。
ドラえもんはこの道具について、必要な金額を書いてサインすれば何でも買えると説明。最後に「雑誌一冊だけでやめとけよ」と釘を刺した。
最初は半信半疑なのび太だったが、実際にお金として使えると分かると行動がエスカレート。しずかちゃんにポンと5万円の小切手を渡したり、自家用車や豪邸まで購入しようとする。
だが、そんなうまい話があるはずもなく、単純にのび太が今後手に入れるはずのお金を、ひみつ道具の力で前借りしていただけのこと。すでに使用した小切手の額を合わせると、サラリーマンになったのび太が43歳の夏のボーナスまで1円も入らないだけの額を使いこんだことが判明した。
結局のび太は品物を返して小切手を取り返す羽目になるのだが、これは一概にのび太だけが悪いとも言い切れない。こんな危険な道具を渡すにあたって、ドラえもんの説明はあまりにも雑すぎた。一応「雑誌一冊だけでやめとけよ」と釘は刺していたが、分別のつかない子どもが我慢できるはずもなく……いや大人だって欲に負けてしまうことはありうるだろう。
無計画に使ってしまうと、とんでもないことになる危険すぎるひみつ道具。思わず「ご利用は計画的に」と言いたくなるエピソードである。