『ドラゴンクエスト』すごろく場廃止、仲間モンスター削除…リメイク作の「改悪要素」は存在するのか?の画像
画像は『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエスト3』『ドラゴンクエスト5』『ドラゴンクエスト8』『ドラゴンクエスト11』(編集部撮影)
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 2021年5月27日の「ドラクエの日」に『HD-2D ドラゴンクエスト3』の発売が発表されました。それ以来新しい追加情報はないものの、はたしてどのような作品になるのか楽しみに待っているファンは多いのではないでしょうか。

 みなさまは、ドラクエのリメイク作品をプレイしたことはありますか? 30代以上の方であれば、オリジナルとリメイクのどちらもプレイしたタイトルがあるという人も多いはず。リメイク版は、オリジナルの作品と異なる部分がそこかしこにあり、同じナンバリング作品をプレイしていてもギャップが生まれることが往々にしてあります。

 たとえば、『ドラゴンクエスト5』では仲間になるモンスターの種類がPS2版で大幅に増加しているため、「エビルアップルって序盤超強いよね~」「え、エビルアップルって仲間にならなくない……?」というすれ違いが起きることもあるでしょう。

 そのぐらいリメイク版には、ある種「別作品」と言えるほどの追加・変更要素が入っています。それがドラクエリメイクの常。オリジナルをもとにした新しい体験を必ず楽しませてくれる、単純な移植ではないところがリメイク版の魅力の一つではないでしょうか。

 しかしこうした変更要素に対し、「オリジナルと違う!」という拒否反応が出てしまうのも事実。ネット上では、ドラクエリメイクで追加・削除された要素に対して「改悪リメイク」と話題に上がることがありますが、そうした意見を読むと「たしかに」と共感してしまう部分と、「そのうえでしっかり面白いドラクエはやはりすごい」と魅力を再確認する部分があります。

 そこで今回は私ヤマグチクエストが、過去に作られたドラクエリメイクについて、その面白さを振り返りたいと思います。実際にプレイしたことがある方向けに書いていくので、意図せずネタバレをしてしまう可能性も大いにありますのでご注意ください。

■DS版『ドラクエ6』での「仲間モンスターシステム撤廃」

 ドラクエ5から採用された仲間モンスターシステムは、人間キャラではなくモンスターを仲間にできることでパーティに幅ができたこと、そのモンスターの個性が表れた能力であることなどが大好評で、このシステムが採用されたこともドラクエ5の人気に一役買っているとすら思います。

 そんな仲間モンスターシステムは、スーパーファミコン用として発売された続編『ドラクエ6』でも採用されましたが、能力や見た目は確かに違いがあっても、転職システムによって最終的にほとんど同じような特技・魔法をそろえられてしまうということもあり、やや影が薄い印象がありました。

 そうした背景があったためか、リメイク版では仲間モンスターシステムがなくなり、ストーリー進行のなかでスライム系のモンスターだけ仲間に加入させられる、というイベントものに変更。さらに、モンスターを仲間にする際に必要な職業「まものつかい」が不要になったためか「まものマスター」に名称が変わり、ほぼ実用性のない“外れ職業”が一つ増えるという結果に。これが当時良くも悪くも話題になりました。影は薄くとも、やはり仲間モンスターシステムの人気は凄まじいということなのでしょう。

 ただ私はこの変更に関して、割と好意的に受け取っていました。もちろん仲間モンスターシステムは好きですが、このリメイク版ドラクエ6の大きなメリットでもある「はぐれメタルが絶対に仲間にできる」というのが非常にうれしいポイントなんです。

 そもそも倒すこと自体難しいうえに、仲間になる確率も極端に低い「はぐりん」を仲間にするのはドラクエ5からの永遠の夢でもあったのですが、ストーリーを進めればイベントで確実に仲間にできるというのは、ちょっとしたサプライズプレゼントだったなと。

 耐性やみのまもりがめちゃくちゃ優秀だけどHPが極端に低いはぐりんをどう育てるか、これはドラクエ6だからこそできる職業システムの面白さでもあるので、これを労せず体験できるのはリメイク版ならではの面白さだといえるでしょう。なので、私はリメイク版ドラクエ6が好きです。何度も言うように、オリジナル版と比較して、ということではなく、別物として考えてという話です。

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