■悪に最後まで屈しない 

 ジョジョのかっこいいチビキャラといえば、やはり多くの人が広瀬康一を思い浮かべるのではないだろうか。4部での康一の名シーンは多々あるが、ここでは空条承太郎も彼の勇気を認めた「靴のムカデ屋」での戦いを振り返りたい。

 康一は吉良のボタンを頼りに、服の修復を行う「ムカデ屋」へと向かうが、そこには吉良の自動追尾スタンド「シアーハートアタック」が潜んでおり、承太郎が康一をかばって重傷を負ってしまう。そして最初は逃げ惑ってばかりだった康一は、ブチギレて決心を固めてひとりで応戦。「シアーハートアタック」を攻略し、吉良本体を誘き出すことに成功したのだった。

 だが戻った吉良の攻撃になすすべもなく、一方的に攻撃を受けることになる。吉良は自分の邪魔をした康一の口に革靴を突っ込み、顔面をアスファルトに叩きつけるなど執拗に痛めつけるが、ここで康一はやられるだけでなく攻撃されながら吉良のポケットから免許証を抜き取っていた。

 そして「吉良吉影、それがおまえの本名だ」「おまえはこれから僕を殺す、でもこんな僕でもあんたの本名が分かったんだ」「こんなちっぽけなクソガキに簡単に名前がバレてしまったんだぜ」と康一が連呼すると、吉良は自分が追い詰めているはずなのに敗北感に顔を歪めることになる。

 そして康一が高笑いし、「おまえはバカ丸出しだッ!あの世でおまえが来るのを楽しみに待っているぞ!」と吐き捨てると、吉良は怒りのままに康一の腹部をスタンドで貫くのだった。

 このときの康一の必死の攻防により承太郎が目を覚まし、そして仗助たちもその場に駆けつけることができた。これで吉良を追い込む態勢が整ったので、康一の勇気によって全滅を免れたと言えるだろう。

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