登場人物の“キャラの濃さ”は、作品にとって欠かせない要素だ。見た目、強さ、性格、特技、趣味嗜好など、いろいろな要素の組み合わせによって個性豊かなキャラは生まれる。その反面、登場人物が増えれば増えるほど、周りに埋もれてイマイチ印象を残せない“地味キャラ”が存在するのも事実……。
しかし、ほかのキャラに見せ場を取られがちな彼らだって、やるときはちゃんとやる。普段それほど目立たないからこそ、カッコイイ姿を見せられるとキュンとすること間違いなし! 今回は、そんな“地味キャラが脚光を浴びたシーン”をいくつか紹介したい。
■“ダメガネ”と呼ばれていても決めるときは決める!『銀魂』志村新八
空知英秋氏の人気漫画『銀魂』の志村新八は、準主人公なのに“地味”と言われるキャラ。ギャグ回では「ダメガネ」「眼鏡が本体」「眼鏡かけ器」と散々な言われようで、実際、眼鏡の“オマケ”であるように扱われることも多い。
そんな新八だが、そもそも彼は一緒にいる銀時や神楽が異常に強いから目立たないだけで、実はなかなかに高い戦闘能力を持っている。彼が作中で見せた活躍といえば、紅桜篇にて銀時のピンチを救う、柳生篇にて銀時と背中合わせで戦う、吉原炎上篇にて暴走した神楽を止める……など多々あるが、個人的にもっとも推したいのはやはり、かぶき町四天王篇の名シーンだ。
このエピソードでは、強敵に恩人を傷つけられた銀時が仲間の新八や神楽を巻き込むことをおそれ、たったひとりで戦おうと万事屋の解散を勝手に決めてしまう。普段勝ち気な神楽が涙を見せ、「銀ちゃんがいなくなったら 生きてたって何にも楽しくなんかないアル!!」と、切実な想いをぶつけても、銀時は頑なに態度を崩さなかった。
その瞬間、動いたのが新八だ。彼は銀時を殴りつけ、「一旦護ると決めたものは絶対護り通す それが坂田銀時じゃないのかよ!!」と一喝。さらに「僕らは死なない!! アンタは死なない!! 何故ならアンタが僕達を護ってくれるから!! 何故なら僕らが絶対アンタを護るからだ!!」と、頼もしすぎる発言をしてみせる。
結果、銀時は自分を取り戻し、万事屋は解散の危機を乗り越えた。新八が万事屋の精神的支柱であり、銀時に負けないくらいの強靱な心の持ち主であることが伝わってくる名シーンである。