■唯一無二の親友になりそうな予感? 『チェンソーマン』第2部 アサとユウコ
現在『少年ジャンプ+』(集英社)で、藤本タツキ氏が連載中の『チェンソーマン』第2部の中にもアツい女の友情が描かれている。第1部は『週刊少年ジャンプ』で2018年から2020年まで連載され、主人公である少年デンジのクレイジーっぷりが話題を呼んだが、彼は第103話(第2部の6話目)でようやく正式に再登場した。それまで主人公のように動いていたのは、三鷹アサという女子高生である。
アサは悪魔に殺されたことをきっかけに“戦争の悪魔”と無理やり契約を結ばされてしまった。“チェンソーマンに勝つまで”という条件で2人(?)は体を共有することになり、アサは戦争の悪魔に協力せざるを得ない状況に。戦争の悪魔は“自分のもの”になった人間を武器に変えて使うことができる。だからアサをいろんな人間と仲良くさせ、自分の武器を増やそうとする。
アサはとある事件が起きて以来クラスで孤立し、イジメられていた。彼女は戦争の悪魔に言われ、デビルハンター部の入部試験を受けることになるのだが、そのときも廊下ですれ違ったクラスメイトに悪口を言われてしまう。さらに家に帰ろうと下駄箱を開けると、自分の靴に嫌がらせで生肉が突っこまれているのを目撃するのだった。
「大丈夫」と強がり、裸足で歩き出した彼女を追ってきたのが、同じくデビルハンター部の入部試験を受けていた女子生徒・ユウコ。彼女は「靴片っぽ貸したげる!」と自分の運動靴を差し出し、アサがいらないと言うと、「じゃあ返して!」と言いつつ逃げる、おちゃめな気遣いを見せた。靴を片方ずつ履いた2人が追いかけっこをするシーンは、なんとも青春っぽい。
彼女たちはまだ出会ったばかりで、仲良くなったばかりだが、すでに唯一無二の親友になりそうな雰囲気を漂わせている。ただしユウコはあまりにも良い子すぎるので、一部読者からは「まともなヤツから死んでいくこの世界では生き残れない」「武器にされちゃう」「死ぬなユウコ」と早くも心配されているようだ。
ひと口に女同士の友情と言っても、さまざまなカタチがある。ケンカばかりでも固い友情で結ばれていたり、相手を救うためにすべてを投げ出す覚悟があったり、出会ったばかりでも互いのために行動できたり……。それぞれが醸し出す絶妙な空気感や関係性は、見ているだけでほほ笑ましいものがある。あなたは、どんなタイプの女友達コンビが好みだろうか。