■最強の治癒部門の責任者は尸魂界史上空前絶後の大悪人『BLEACH』卯ノ花烈

 続いては、テレビ東京系にて10月よりアニメが放送開始される久保帯人氏の『BLEACH』から、護廷十三隊四番隊隊長・卯ノ花烈を紹介したい。

 卯ノ花は治癒に特化した四番隊隊長であり、自身もまた回復・治療用の鬼道「回道」にすぐれた人物だ。彼女の持つ斬魄刀・肉雫唼(みなづき)は能力を解放すると、巨大な一つ目エイのような姿となりケガ人を治癒することができた。

 物静かな雰囲気ながら無茶するケガ人へは容赦ない威圧感で恐れらる卯ノ花だが、その正体は作中で一・二を争うほど意外なものだ。

 卯ノ花の本当の名前は卯ノ花八千流(やちる)。元十一番隊隊長であり初代「剣八」を名乗っていた彼女は、隊長となる前は「尸魂界史上空前絶後の大悪人」だ。あらゆる流派・刃の流れはわが手にありの意味で自らを「八千流」と名づけ、回道に長けていたのも“永遠に戦いを楽しむため”だったのである。

 そんな彼女が認めたのが若き日の更木だが、彼もまた卯ノ花に対する憧れや敬意から「草鹿」で拾った赤ん坊に「やちる」と名づけていた。 

 だが、過去に自分と戦ったことがきっかけで、更木に本来の力を封じさせてしまった事実に卯ノ花は絶望。実は三つ編みで隠していた彼女の胸元には、そのときの刀傷が残されていたのだ。星十字騎士団の侵攻を受け、卯ノ花は更木の力を呼び覚ますため「無間」にて手加減なしの死闘を繰り広げる。「さようなら 私を悦ばせた男よ」と、卯ノ花は自身の死を持って正真正銘「剣八」の名を更木へと空け渡すのだった。

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