■装甲もパワーもザクとは違う!

 そんな初登場からダントツの格好良さを見せてくれたグフ。ムチ(ヒート・ロッド)を駆使した得意の白兵戦でガンダムを苦しめたが、グフはそれほどまでにザクを上回る性能だったのか?

 まずアムロの実感値として、初戦となった第12話の戦闘で「装甲もパワーもザクとは違う!」と驚きの声を上げている。連邦軍モビルスーツとの格闘戦を想定したグフは、ザクの問題であった耐弾性の弱さを解消するために装甲が強化されている。運動性との両立で重装甲というほどではないものの、それでもザクの装甲では防げなかったガンダムの頭部バルカンにはびくともせず、第16話「セイラ出撃」ではガンキャノンのキャノン砲の直撃にも耐えている。これはなかなかすごいことだ。

 ガンキャノンの240mm低反動キャノン砲の威力には諸説あるが、サンライズ公式サイト「ガンダムインフォ」では、「キャノン砲の威力は重モビルスーツさえも一撃で破壊する」と解説されている。重モビルスーツといえばドム相当になるため、これが誇張なしだとしたら驚きの威力になる。一応、ラルは直撃後、「砂がクッションになってくれなければ、このモビルスーツのグフとてやられていたわ」と冷や汗をかいているので危うい瞬間ではあったようだが、グフの装甲が相当に頑強であることを証明するシーンなのは間違いない。

 また、パワーにおいてはジェネレーター出力が目安になるが、「機動戦士ガンダム MS大全2015」によると、グフのジェネレーター出力は1034KW、ザク(ザクII)は976KWとなっている(※)。数値は若干差かもしれないが、ラジエーターの大型化、陸戦特化による構造のスリム化などがパワー伝達の効率化を果たし、数値以上の伸びを実現していると考えられなくもない。

(※1kW=約1.36馬力なので、グフの1034KWは馬力換算すると、約1406馬力。つまり、馬1406頭分のパワーになる。核融合炉で動く兵器にしてはずいぶん小さい出力なので、宇宙世紀のKWは現在のkWとは異なる計算単位なのかもしれない)

  1. 1
  2. 2
  3. 3