■見た目は地味だが絶対に食らいたくない!「北斗断骨筋」

 次もザコキャラに使用された初期の技。ジャッカルの部下・スコルピオという元プロボクサーに使われた「北斗断骨筋(だんこつきん)」も読んでいて喰らいたくないと感じた技のひとつだ。

 腕に自信のあるスコルピオは、「おれさまが相手してやろうじゃねぇか」とシュッシュとシャドウをしながらケンシロウに近づくが、思い切りふりかぶったストレートを余裕でかわされてしまう。そして軽々と避けたケンシロウは、その瞬間にスコルピオの右腕をピピピと軽く数か所突く。

 これが北斗神拳「北斗断骨筋」なる技。スコルピオは何をされたのか分からないが、少し間を置いた後に前腕から、肘、二の腕にかけて「ゴキ、バキ、グシャ、ベキ」と音を立てて砕けていき、最後は頭部まで衝撃が到達すると、スコルピオは顔面を陥没させながら「あべし」と叫んで死んでしまった。

「ひでぶ」と並ぶ『北斗の拳』の代名詞的叫び声である「あべし」。この技は他の必殺技に比べると派手さには欠けるが、全身の骨が少しずつ砕けていく姿が、一瞬で殺されるよりも痛そう。地味過ぎる技ということもあってかこれ以降使われることはなかったが、筆者の心に大きなインパクトを残した技だった。

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