武論尊氏・原哲夫氏による1980年代の『週刊少年ジャンプ』(集英社)を代表するバトル漫画『北斗の拳』。
同作の魅力はなんといってもそれぞれの流派の拳法による技と技のぶつかり合いだろう。北斗神拳では秘孔をつくことで人体を破壊したり、逆に肉体を強化することも可能。これによって数えきれないほど多くのキャラが悲鳴を上げながらこの世を去っていったが、中にはとんでもなく残酷だった北斗神拳も少なくなかった。
そこで今回は1話で一人は酷い死に様を見せていった『北斗の拳』の中から、筆者が「これは惨たらしい」と感じた北斗神拳をいくつか振り返りたい。
■技の名前の通りに残酷過ぎる!「北斗残悔拳」
まずは物語初期に登場した「北斗残悔拳(ざんかいけん)」なる技だ。北斗神拳は全身に700個ある経絡秘孔(ツボ)を突くことで、肉体を内部から破壊することができるという中国に伝わる暗殺拳。第1話ではジードというザコキャラが北斗百裂拳を喰らい内蔵を吹き出しながら死んでいったが、続いて3話でシン直属の部下であるスペードに使用されたのが「北斗残悔拳」だった。
ケンシロウは、村で老人を相手に好き放題暴れていたスペードたちにブチ切れ「てめえらに今日を生きる資格はねぇ!」と部下を叩きのめした。そしてスペードの両腕をへし折った後に両手の親指を突き立てて、それをスペードの左右のこめかみにグサリ。その先の『北斗の拳』を読めば、これぐらいの技はたいしたことがなさそうにも思えるが、頭部に親指が第一関節あたりまで刺さった絵のインパクトがすさまじかった。
そしてこの技の恐ろしさは指が刺さった瞬間に死ぬのではなく、「指を抜いて3秒後に死ぬ」ところ。わずか3秒という刹那ではあるが「残悔」の名前通りに後悔する時間が与えられるというのが、この技の残酷なところではないだろうか。