ブライト艦長は殿堂入り!? ランバ・ラル、ゴットン・ゴーなど、宇宙世紀のガンダム作品に登場する「苦労人キャラ」3選 中間管理職ならではの悲哀も…の画像
画像は『GUNDAM HISTORICA(ガンダムヒストリカ)』(講談社)第7巻・書影より

 ガンダムシリーズは戦争を背景に描かれた作品ではあるが、そのメインとも言えるのは人間ドラマだ。単純な勧善懲悪の世界ではなく、どちらの陣営にもそれぞれが掲げる主義・主張があり、複雑な人間関係が構築されている。『機動戦士ガンダム』の主人公、アムロ・レイにしても完全無欠のヒーローなんかではなく、さまざまな出来事に葛藤、苦悩しながら戦いに身を投じていた。

 そんな人間ドラマが織りなすガンダム作品において、どうしても目がいってしまうのが「苦労人キャラ」だ。上司の理不尽な要求にさらされたり、人間同士の衝突の渦中で調整役を任されたりする姿を見ていると、思わず応援したくなってしまう。

 そこで今回はあくまで主役の影で身を削って働き、縁の下の力持ちとして活躍していた宇宙世紀作品の苦労人キャラにスポットをあててご紹介したい。

■激戦を戦い抜いた名艦長はガンダム作品を代表する苦労人!?

 このテーマを語る上で、まず最初に紹介しなくてはならない存在が、初代『機動戦士ガンダム』でホワイトベースの艦長を務め、その後も数多くの作品で活躍したブライト・ノアだろう。

 士官学校卒業直後、士官候補生としてホワイトベースに乗りこみ、なりゆきで艦長代理を任されることになるが、このときブライトは弱冠19歳。まだ10代ながら地球連邦の新鋭艦を指揮し、多くの民間人を乗せながらの作戦行動を余儀なくされる。

 言うことを聞かない民間人パイロットをなだめすかし、ときに手をあげてしまったのも、彼が担った重すぎる責任と状況を考えたら、やむを得ないことだったのかもしれない。激戦が続く中、ブライトが体調を崩す場面もあり、10代の若き士官候補生にとっていかに過酷な状況だったかがうかがえる。

 ジャブローにて正式にホワイトベースの艦長に任じられたあとも、ろくに人員の補給は行われず、そのうえで囮部隊を任される不遇っぷりだった。

 続く『機動戦士Zガンダム』でも、一年戦争であれだけの功績を挙げながら左遷されていたり、ティターンズの連中に暴行を受けるなど、あんまりな仕打ちを受ける。アーガマの艦長に就任して以降は、精神が不安定なニュータイプパイロットにあいかわらず振り回されながらも、しっかり部隊をまとめあげたのはさすがである。

 その後、ブライトは『機動戦士ガンダムUC』の時代まで戦い続け、その先に待っていたのが息子ハサウェイがかかわる動乱なのだから、あまりにも悲しすぎる……。

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