■消し飛ばした時間の中での攻防とゼロに戻るOP

 最後に紹介するのは第5部「黄金の風」のオープニングだ。第5部のオープニングは、2度変化する。1度目は、ラスボスのディアボロのスタンド能力が判明したとき。そして2度目は、主人公ジョルノ・ジョバァーナのスタンドが成長したときだ。

 第5部はジョルノがギャングを目指すストーリーで、組織のボスであるディアボロに反発するチームの活躍が描かれる。ディアボロのスタンドである「キング・クリムゾン」は時間を消し飛ばす能力を持っており、消し飛ばした時間内も自分だけは行動できるため、無敵の能力と自負していた。

 1回目の特殊オープニングは、キング・クリムゾンの能力が明らかになった第34話「鎮魂歌は静かに奏でられる」から使用された。曲のサビ手前で「キング・クリムゾン」が発動され、オープニング映像が停止。消し飛ばした時間の中を悠々と歩くディアポロがイタリア語で自身が神であるかのようなセリフを言う、第3部のDIOを彷彿とさせる内容だ。

 そしてストーリーは進み、ジョルノのスタンドであるゴールド・エクスペリエンスが「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」へと成長する第38話「ゴールド・E・レクイエム」でオープニング映像はさらに変化した。

「レクイエム」の能力は「攻撃してくる動作や意思の力を“ゼロ”に戻す」というもの。つまり、ジョルノに向けられた攻撃が、ジョルノへ届く前に「なかったこと」とされてしまうのだ。

 この複雑なスタンド能力が5部ラストの特殊オープニングにも使用されており、サビ手前で「キング・クリムゾン」が時間を飛ばした後、「すべての行動をゼロに戻す」というゴールド・エクスペリエンス・レクイエムの能力が発動。消し飛ばした演出も「なかったこと」にされてしまうのだ。

 そして、父であるDIOと同じポーズをとるジョルノが映し出される。原作ではみられないカットだが、このセルフオマージュはファンの心をアツくさせた。

 その他、効果音が挿入されるオープニングも楽しいジョジョアニメ。突如挟み込まれるので、配信サービスでも飛ばさず視聴されることをおすすめしたい。9月1日からはNetflixで6部2クール目が先行配信される。ストーリーはまだまだ中盤なので、ラスボスのスタンド能力による演出には至らないと思われるが、どのように視聴者を楽しませてくれるか、この先もアニメスタッフの「ジョジョ愛」に期待したいところだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3