■続編も期待『翔んで埼玉』での二階堂ふみ

 最後は魔夜峰央氏原作の、2019年公開の映画『翔んで埼玉』で振り切った変顔を披露した女優の二階堂ふみ

 彼女が演じたのは、白鵬堂学院の生徒会長で埼玉県民を忌み嫌う壇ノ浦百美。外見も名前も女性のようだが、れっきとした男性だ。

 二階堂といえば『蜜のあわれ』『人間失格 太宰治と3人の女たち』『ばるぼら』など、セクシーで艶っぽい演技が印象深い。しかし『翔んで埼玉』ではそういった芝居はいっさいなりをひそめており、ひたすらにスピーディなコメディが展開された。

 容赦なく繰り出される二階堂の変顔や振り切った演技に、はじめは呆然としてしまった。しかし次第に物語に引き込まれ、すっかり愛着のわくキャラクターとして、気づけばトリコになっていた。設定はトンデモなのに、その魅力的な世界観と彼女の芝居に目が離せなくなったものだ。

 なお、2022年中には実写映画版の続編『翔んで埼玉II(仮題)』が公開予定。また二階堂とGACKTのペアが見られると思うとうれしいかぎりだ。

 我々の心を掴んで離さない怪演女優たち。その変化球の芝居は、作品をさらに面白く、漫画と実写の世界を繋いでくれている。

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