現在日本テレビ系で放送中のドラマ『家庭教師のトラコ』で主人公・トラコ役を務める橋本愛の怪演ぶりが話題だ。毎回さまざまな姿を見せるトラコを見事に演じ分け、いろいろな表情を見せてくれるこの作品。これまでクールな印象のあった橋本の新たな魅力に気づいた人も多いだろう。
橋本の今回の演技以外でも、意外な表情を見せてくれたり振り切った演技をすることを、最近では「怪演」という言葉で表現されることが多くなった。漫画を原作とした実写化映画にも、その怪演ぶりが話題になった女優たちは少なくない。今回は迫力の演技と圧倒的存在感を見せた怪演女優をピックアップしたい。
■『賭ケグルイ』での蛇喰夢子役がハマった浜辺美波
まずは、フジテレビ系ドラマ『ドクターホワイト』での主演が記憶に新しい女優の浜辺美波。彼女の出世作ともいえる作品が、2018年から2度にわたってドラマ化され、2019年には映画化もされた河本ほむら氏原作の『賭ケグルイ』だ。
浜辺は生徒同士のギャンブルによる階級制度によって支配されている学校に転校生として現れた、生粋のギャンブル狂である主人公の蛇喰夢子を演じた。
清楚な黒髪ロングのヘアスタイルで上品なたたずまいの夢子だが、ギャンブルを前に気持ちが高まると「滾ってしまいます」と陶酔するかのような恍惚の表情を浮かべる。かと思えば瞬時に学生らしいあどけない笑顔を見せたりと、表情のコロコロ変わる、何かがとりついたような浜辺の演技が印象的だった。
それまでの浜辺は2017年公開の映画『君の膵臓をたべたい』のヒロイン・山内桜良役の印象もあって、さわやかで清純なイメージがあった。ここで彼女の女優魂を感じた人も多いだろう。