■『約束のネバーランド』でのホラー演技がすごかった渡辺直美
続いては、原作・白井カイウ氏、作画・出水ぽすか氏によるヒット漫画『約束のネバーランド』。実写映画は2020年に公開された。こちらの主人公・エマは先述した浜辺が務め高評価を得たが、そのほかにも極めて異質な存在感を放っていたのがグレイス=フィールドハウスのシスター・クローネを演じたお笑い芸人の渡辺直美だ。
原作では大柄な体格で褐色肌、打算的な性格が印象的だったクローネ。渡辺はふくよかでボリューミーな体型と、ニヤリと開けた大きな口がぴったりと役にハマっていた。
そして彼女が時折見せるオーバーな動きや表情には、原作とはまた違った怖さがあった。特にコミックス19巻の発売を記念したコラボCMでは、大笑いするクローネが突然「見ぃつけた」と画面外から登場するというホラー映画さながらの演出が衝撃的だった。
ほか、映画本編でもぬいぐるみを抱きしめながら高らかに歌う様子や、子どもたちの部屋をガサ入れするシーンは見ていてハラハラドキドキした。かと思えば、退場時に魔に涙を浮かべたような顔で「絶対逃げろよ、クソガキども」と言い残すシーンにはとてつもない人間味を感じた。彼女もまた、立派な怪演女優の一人だ。