■空間を削ぎ取ることで周辺の建物が崩壊?
次は虹村億泰の使用する「ザ・ハンド」だ。
スタンドの能力は空間を削り取るというもので、削り取ったものがどこへ行くのかは誰にも分からない。使用している億泰もこの能力について、ほとんど把握していないと言ってもいいだろう。
億泰が実際にこの能力を使用したとき、看板の文字を削り取ったり、地面をえぐり取ったりしていた。他にも何も無い空間を削り取って、遠くに居る人間や物を引き寄せるという使い方もあった。一見すると便利そうな能力にも思えるが、削り取った後どうなるのかが分からないため非常に怖い能力でもあるのだ。
作中で、億泰が逃げる仗助を捕まえるために空間を削り取ったシーンでは、引き寄せられた仗助とともにその背後にあった鉢植えも同時に引き寄せられてしまうという描写があった。
ここから分かるようにザ・ハンドで空間を削り取ると、削り取られた直線上のあらゆるものがズレてしまう。もしかしたら、仗助だけではなく背後の壁や建物といった空間もねじ曲がっていた可能性があるのだ。
そうなると、連発すればまずいことになるだろう。周辺の建物がズレたことによって崩壊し、いろんなものが引きつけられて宙を舞う。使い終わった後にくる余波がすごそうである。
そのため使用者は慎重に能力を使わなくてはならないと思うので、億泰のように何も考えないで使ってしまうと、無関係の人間まで巻き込んでしまうだろう。