■『終末のワルキューレ』自身の骨を押しつぶすほど異常発達した筋肉
次に紹介するのは、2023年よりNetflixにてアニメ第2期の独占配信が決まっている、作画・アジチカ氏、原作・梅村真也氏、構成・フクイタクミ氏によるバトル・ファンタジー漫画『終末のワルキューレ』。人類存亡をかけ、神と人間のタイマン勝負を描いた物語だ。
そんな同作から取り上げるのは、第5回戦で破壊神・シヴァと対決した相撲史上きっての最強の力士・雷電為右衛門(らいでん ためえもん)である。雷電は江戸時代に実在した力士だが、あまりの強さに張り手や鯖折りといった四つの技が禁じ手とされるほどの無敵を誇った。
ちなみに『終末のワルキューレ』の雷電は一般的な相撲取りというよりは、大柄で筋肉質なプロレスラー体型だ。作中では控室で多くの女性をはべらせ、力士でありながら先制攻撃がドロップキックだったりと、かなり破天荒な人物として描かれていた。そんな彼の強さの秘密に関して、過去に壮絶な筋肉との戦いがあったことが第33話「百閉」で描かれている。
信濃国の百姓の子どもとして生まれた太郎吉こと雷電は、幼い頃は自身の強すぎる筋肉の圧で体中の骨を粉砕する苦痛を繰り返していた。しかし、そんな彼の運命を変えたのもまた「筋肉」であり、暴走する筋肉を押さえ込むため雷電は“殻”とも言える新たな筋肉「百閉」を作り上げたのだ。
シヴァとの対戦においては、ブリュンヒルデの姉妹のひとり・スルーズの神器錬成(ヴェルンド)“超筋外骨締廻”により雷電は初めて制御不能な筋肉を思い通りに使うことができた。スルーズとの関係性とともに、応援せずにはいられない魅力ある人物だ。