■文明ごと滅亡させるシリーズ最強兵器「月光蝶」

 最後に紹介するのは『∀(ターンエー)ガンダム』と『ガンダム Gのレコンギスタ』に登場した、シリーズ最強の呼び声も高い兵器「月光蝶」。『∀ガンダム』では∀ガンダムやターンX、『ガンダム Gのレコンギスタ』ではG-ルシファーに搭載されている。

 月光蝶という名前だけあって、機体の背面からまるで蝶のはねの様な光を放出。虹色に輝く美しい見た目をしているが、その実態はあらゆる人工的な物質を砂に変えるナノマシンを撒き散らす、悪魔の兵器だ。

 ∀ガンダムは月光蝶で過去にいくつもの文明を滅ぼしており、作中ではその時代を“黒歴史”と称していた。『∀ガンダム』の最終決戦では2機のターンタイプが月光蝶で戦ったが、その描写はすさまじく、月光蝶に触れるだけで周囲のMSは爆散。敵の攻撃をも分解・吸収してしまうほどの性能を見せつけ、分解物による黒い嵐が巻き起こった。

 ちなみに作中では、∀ガンダムとターンX双方ともにフルパワーでの月光蝶の発動はできなかった模様。もしフルパワーで使用したらどうなっていたのか、想像するだけで恐ろしい。

 文明をまるごと破壊する月光蝶は『ガンダム』シリーズの中でも、最も起動してはいけない兵器の1つと言えるだろう。なお、劇中では月光蝶によって分解されてできた物質のカスを利用すると、不毛な地に農作物が育つようになった描写がある。文明リセット後のことも考えられているのか、ある意味では自然に優しい兵器と言えるのかも……!?


 ガンダム作品は新旧を問わず、戦争を背景に描かれた作品だけに、恐ろしい兵器の印象が残っているファンも多いのではないだろうか。その威力のすさまじさだけでなく、無慈悲な運用法にまで着目してみると、その恐ろしさが一層増すかもしれない。

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