2014年から『週刊少年ジャンプ』で連載中の堀越耕平氏のヒーローアクション漫画『僕のヒーローアカデミア』。主人公・緑谷出久(通称デク)をはじめとした少年少女たちの奮闘を描いた作品で、2022年秋からはテレビアニメ第6期の放送が予定されており、いよいよヒーローたちとヴィランによる苛烈な全面戦争が幕を開ける。
本作の見どころといえば迫力たっぷりのアクションシーン。さまざまなヒーローが超常能力“個性”をフル活用し、手に汗握る展開が繰り広げられる。強いキャラクターがたったひとりで活躍するのもかっこいいが、ヒーローの戦い方はそれだけにあらず。仲間たちと力を合わせる共闘にも、またちがった魅力がある。そこで今回の記事では、筆者が特に感動した『ヒロアカ』の共闘シーンを紹介していきたい。
■“ヒーロー殺し”戦でのデク・轟・飯田の見事な連係プレー
まず紹介するのはデクと轟焦凍、飯田天哉が“ヒーロー殺し”ステインとの戦闘でみせた連係プレー。飯田の兄でプロヒーロー“インゲニウム”だった天晴は、ステインに重傷を負わされたことで下半身麻痺となり、ヒーローを引退せざるをえなくなってしまった。兄が大好きだった飯田はステインに復讐しようとするが、相手の個性“凝血”によって大ピンチに陥る。凝血は「相手の血を摂取することで身体の自由を数分奪う」という厄介な個性で、ステインの異常な身体能力と組み合わさることで恐ろしい威力を放つのだった。
いよいよとどめを刺されるというとき、飯田のもとに駆けつけたのがデクと轟。ステインに翻弄されつつも「二人で守るぞ」と戦い続ける轟たちに対し、飯田は復讐にとらわれたまま「僕がやらなきゃ」と言い続ける。
轟はそんな彼を「(自分が)なりてえもんちゃんと見ろ!!」と一喝。飯田はこの言葉で目を覚まし、復讐者としてではなくヒーローとしてステインと戦うことを決意した。その後、飯田は腕に大怪我を負いながらも、「腕など捨ておけ!!」「今は脚があればいい!!!」とステインに必殺技“レシプロエクステンド”を決めた。脚をやられたデクも、彼と同時に「今は拳があればいい!!!」と一発入れており、2人のコントラストが効いている。その後轟が炎熱と氷結でたたみかけることで、3人は無事ステインの無力化に成功した。
復讐にとらわれた友人を正しい道に引き戻したという点でも、共闘の純粋なかっこよさという点でも、王道展開を行く魅力あふれるシーンである。