■心えぐられる可憐な少女・イリヤの衝撃の最期(Fate/stay night [Unlimited Blade Works])
最後に紹介するのはトラウマ必至の死亡シーン。アニメ『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』に登場したマスターの1人“イリヤ”こと、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが、ギルガメッシュに殺される場面も忘れられない。
イリヤは一見ただの可愛らしい少女だが、過酷な訓練を受け続けたことと、聖杯を手に入れるために必要な“小聖杯”としての機能を有する特性上、魔力も魔術回路もほかの人物とは比べ物にならないほど優秀。サーヴァントであるバーサーカーとの相性も抜群だった。
しかし、ギルガメッシュは小聖杯であるイリヤの心臓を利用し、「この世すべての悪」を不完全な形で解き放つことで人間を淘汰しようと目論んでいた。
イリヤは、ギルガメッシュに狙われたのが運の尽き。チート級の強さを誇る彼を前にしては勝ち目などない。バーサーカーは「天の鎖(エルキドゥ)」に捕らわれ、胸を貫かれてしまう。
動かなくなったバーサーカーを見て動揺したイリヤは、「やだ! いやだよ! バーサーカー!」と彼のもとへ歩み寄る。ギルガメッシュはそんな無防備なイリヤの目を斬り、腹部を刺すという容赦のない攻撃を行った。
目が見えなくなり、大出血を起こしながらも力を振り絞り、バーサーカーのもとへと這っていくイリヤの姿が痛々しい。バーサーカーは鎖から抜け出し、ギルガメッシュに一矢報いようとするが、トドメを刺されて消滅した。
そこにまだバーサーカーがいると思い、何もない空間に語りかけ続けるイリヤ。「こうして(一緒に)いてくれれば私は安心できるから」と手を添えた先にあったのはただの瓦礫で、あまりにも残酷すぎる描写に心がえぐられた。
数多くのキャラクターが次々と命を落としていく「Fate」シリーズ。それぞれの生死をかけた「聖杯」をめぐる戦いがどこへ向かっていくのか、最初から最後までハラハラさせられ続ける。また本シリーズは描かれるルートによって、まったく異なる展開を迎えるのも見どころの1つ。1作品しか見ていないという方は、ぜひ他のルートもチェックしてみてほしい。