アニメ『Fate』シリーズの「心に刺さった死亡シーン」3選 自害したランサー、イリヤの最期など、トラウマ級の衝撃描写も…の画像
完全生産限定版『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』Blu-ray Disc Box Iより

 PCゲーム『Fate/stay night』からはじまった、アニメ「Fate」シリーズ。マスターと呼ばれる魔術師が「サーヴァント」を召喚し、あらゆる願いを叶えるという“聖杯”をめぐって、ともに戦うという内容のストーリーだ。ゲームの各ルートである「Fate」、「Unlimited Blade Works」、「Heaven's Feel」を映像化した作品のほか、前日譚である「Zero」など、さまざまな派生作品が存在する。

 本シリーズでは、どの作品でも熾烈な戦いが繰り広げられ、マスター、サーヴァントを問わず、数多くの登場人物が命を落としていく。感動的なものもあれば、残酷なものもあり、それぞれの最期はどれも心に残る。今回はそんなアニメの中から、とくに心に残った死亡シーンを紹介していく。


※以下には、アニメ『Fate/stay night』『Fate/Zero』等の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、作品をまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。

■ライダー「イスカンダル」のあっぱれな最期(Fate/Zero)

 最初に紹介するのは、『Fate/Zero』に登場したライダーのサーヴァント、イスカンダルのかっこよすぎる死亡シーン。

「征服王」の名で知られるイスカンダルは豪快かつ奔放で、型破りな行動も目立つ。そのせいで、ヘタレでひねくれた性格のマスター、ウェイバー・ベルベットとはいまいち噛み合わない部分もあった。

 聖杯戦争に全力で取り組みつつ、ウェイバーの部屋でゴロゴロしたり、テレビやゲームを楽しんだりと、現世での生活もしっかりエンジョイするイスカンダル。しかし王としての才覚や風格を持ち合わせているのも確かである。

 そんなイスカンダルが最期を迎えるのは、英雄王ギルガメッシュとの決戦でのこと。イスカンダルは自身の切り札である宝具「王の軍勢」を繰り出し、全力で挑むも一撃も入れることすらできずに圧倒されてしまう。

 このときのイスカンダルとウェイバーのやりとりは、作中屈指の名シーンの1つだ。自分の最期を悟ったイスカンダルは、ウェイバーに「臣として余に仕える気はあるか」と持ちかけ、ウェイバーはこれを受け入れる。するとイスカンダルは、自身の伝説を語り継ぐために生き続けるようウェイバーに命じると、負けると分かっていてもなお英雄王に真っ向からぶつかり、散っていった。

 傲慢で唯我独尊のギルガメッシュですら、イスカンダルの王としての生きざまを認めており、彼のことを「征服王」と呼び、「そなた」という敬称で呼び讃えた。さらにイスカンダルが消滅後、王の遺志を守り、生きるために戦わないことを選んだウェイバーに対しても、「忠道、大義である。努、その在り方を損なうな」との言葉をかけている。

 バトルの内容だけを見れば、イスカンダルが一方的に敗れたわけだが、ウェイバーとの絆や、あのギルガメッシュが王として認めたという点でも、かなりアツい最期のシーンだった。

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