９０年代の『週刊少年ジャンプ』（集英社）で連載された、井上雄彦氏によるバスケットボール漫画の金字塔『ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ（スラムダンク）』。いよいよ映画『ＴＨＥ ＦＩＲＳＴ ＳＬＡＭ ＤＵＮＫ』の公開日が１２月３日と発表され、最新の特報映像も公開された。早くもワクワクが止まらないファンは多いことだろう。
バスケという競技を追求する選手たちが切磋琢磨する作品だけに、意地とプライドのぶつかり合いの部分も大きな魅力の１つ。「プライドが高い」というとマイナスなイメージを抱く方もいるかもしれないが、裏を返せば、それだけ努力をしてきた自信の表れであり、あくなき向上心の糧になるものだと思う。
そこで今回は『スラムダンク』の作中でも、個人的に大好きな屈指のプライドの高さを誇る男たちをご紹介したい。
■陵南の福田吉兆
『スラムダンク』で“プライドが高い男”といえば、陵南高校２年の「福田吉兆」を思い出すファンは少なくないだろう。
陵南バスケ部に入部した際は、新入生の中で一番ヘタだった福田。同級生には、中学時代から活躍し、天才と評される仙道彰がいた。入部早々からチームの柱である魚住すら圧倒するほどのプレイを見せていた仙道に対し、福田はヘタながらも対抗意識を抱く。
田岡監督は、福田のプレイにどこかスケールの大きさを感じ、仙道とともに将来は陵南の軸になると確信。プライドの高そうな仙道はホメて伸ばし、福田は叱って伸ばすという方針を選択する。しかし１年間叱られ続けた福田に蓄積したストレスが練習試合中に爆発。監督に手を上げてしまい、無期限部活禁止の処分が下される。
田岡監督は、福田の育成方針が間違っていたことを自覚しており、福田のプライドの高さに気づかなかったことについて「ミスを犯していた」と語るシーンがあった。
そして２年時のインターハイ予選でようやく部活復帰を果たした福田。桜木花道に対して「オレの方が１コ上だから敬語を使えよ」と言って上下関係にやけにこだわったり、観客からの“福田コール”を聞きながら、「もっとホメてくれ」とふるふると震えて自己陶酔するシーンなどもあり、持ち前のプライドの高さがうかがえる描写が随所にある。
この福田ならではのプライドの高さや、そして部活禁止中のバスケに対する飢えが、彼のポテンシャルを引き出し、対戦校にとって脅威になったのは間違いないだろう。
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