初代ガンダムの形式番号である“RX-78ー2”にちなみ、本日7月8日は「ガンダムの日」と呼ばれていることをご存知だろうか。1979年から放映が始まったTVアニメ『機動戦士ガンダム』に端を発するガンダムシリーズの人気は令和の現在も衰えず、現在公開中の映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』、10月から放映が始まる最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』、映画の続編が待たれる『閃光のハサウェイ』など、注目作品が目白押しだ。
そんな『ガンダム』シリーズの魅力は、何と言っても戦争を背景とする作品のリアリティだろう。序盤から登場した主力キャラも、名もなき兵士も関係なく“死ぬときは死ぬ”。そういうシビアな世界観だからこそ、つねに作品内には緊張感が漂っている。
だが、ガンダムファンなら誰もが一度くらい「このキャラだけは死んでほしくなかった」と感じた経験があるはず。そこで今回は、個人的に死んでほしくなかった脇役をピックアップ。「幸せになって欲しい」と願いながらも、悲しい散りざまを見ることになった3名を紹介したい。
※以下には、アニメ『機動戦士Zガンダム』『機動戦士Vガンダム』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、作品をまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。
■強い女性の代名詞! カミーユを導いた「エマ・シーン」
『機動戦士Zガンダム』に登場したエマ・シーン中尉は、同作を語る上で欠かせない人物だ。作中では、所属していたティターンズの卑劣さに耐えられずエゥーゴに参加。いわゆる「寝返った」立場のエマであったが、持ち前のまじめで実直な性格と行動力で、周囲からの信頼を獲得していく。とくにカミーユ・ビダンやファ・ユイリィにとっては、ときに厳しく、ときには優しく導いてくれる姉のような存在だった。
そんなエマはストーリーの終盤、かつての仲間レコア・ロンドの乗るパラス・アテネと激突。ほぼ相打ち同然の状態で、からくもレコアに勝利する。しかし、彼女が最期に言い残した言葉の真意が知りたかったエマは、ガンダムMk-IIのコクピットを出て、大破したレコア機のほうへと向かう。
するとヤザン・ゲーブルの攻撃が、レコアの乗っていたパラス・アテネに直撃。エマはその爆発の破片をまともに浴び、致命傷を負うことに……。その後、カミーユに救出されるも、すでに手遅れの状態だった。
エマは自分の命が尽きようとするときまで、カミーユに「私の命を吸って、そして勝つのよ」と戦うように励ます。最期の瞬間までカミーユを導いた、ぶれることのない女性だった。