■「勇気」がなかった少女が命がけで「勇気」を与えた相手

 そうしてマァムへ思いを伝えたポップだったが、その裏には占い師・メルルの片思いもあった。

 メルルは優れた予知能力を持つ占い師で、ダイたちの冒険を何度もサポートしてくれた内気な少女。ダイたちと行動をともにすることとなったメルルは、分かりやすいほどポップに好意を示していた。ところが、他人の恋愛に敏感なポップは、メルルの気持ちにまるで気づかないという構図。

 最終決戦でアバンの使徒たちは「ミナカトール」を発動させるため己の魂を示すものの、ポップだけが“アバンのしるし”が光らないままだった。逃げ出そうとするポップにザボエラの凶刃が迫るが、それをメルルがかばい猛毒を受けてしまう。どうして自分を助けるのだと驚くポップに、レオナが「マァムも鈍感だけどキミも相当なものよっ!!」「……彼女はね!キミが好きなのよっ!!!」と彼女が隠していた恋心をバラしてしまうのだった。

 自分の気持ちを代弁されたメルルはレオナを責めるも、今の関係が壊れることが怖く「勇気」が無いゆえにポップへの思いを口に出来なかったと明かす。そして、このときのメルルの言葉こそが、ポップにとってのマァムに告白できない本音そのものだった。猛毒に苦しむメルルから「あなたの……好きな人の名前を言って…!!」といじわるなお願いをされたポップは、背中を押される形でマァムへの愛を叫んだのだった。

 そうして「勇気」の魂の力を得たポップは、絶命したメルルを救うために賢者へと覚醒し、彼女を蘇生をさせた。マァムとポップとメルル、この三角関係はまだまだ続いていく。

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