歴代『機動戦士ガンダム』主人公を成長させた“いぶし銀”の漢たち3選!戦争の悲しみを際立たせる「いいおじさん」との出会いの画像
『機動戦士ガンダム0083』ケリィ・レズナーの愛機「ヴァル・ヴァロ」(バンダイのプラモデルHGM 1/550より)

 2022年6月3日から全国公開されている映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の第15話のエピソードをクローズアップして、新たに制作されたもの。『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインやアニメーションディレクターなどを担当した安彦良和氏が監督を務めた話題作だ。

 ジオン軍脱走兵のククルス・ドアンが潜む島を巡って、地球連邦軍とジオン軍の戦いが描かれる同作。ククルス・ドアンは孤児とともに島で生活しており、主人公アムロ・レイと関わりを持つ。ガンダムシリーズの主人公は精神的に未熟な少年であることが多く、そんな彼らの成長を手助けするのが、ガンダムの名物ともいえる「いいおじさん」たち。しかも、敵キャラクターであることが少なくなかった。

 これまでに制作された『ガンダム』シリーズで魅力的なおじさんキャラを挙げればキリがないほど多くの人物が登場してきたが、今回は「主人公と関わったジオンのいいおじさん」を3人ピックアップ。それぞれのキャラクターが、主人公にどのような影響を与えたのかあらためて振り返りたい。

■度量の大きさを見せつける!部下に慕われる青い巨星

 ドアン同様にアムロに大きな影響を与えたキャラクターとして、多くのファンがまっさきに思い浮かべるのは「ランバ・ラル」ではないだろうか。どっしりと構えて事態に対応する姿や人柄で、人気があるキャラクターだ。

 ランバ・ラルは「初代」や「1st」と呼ばれる『機動戦士ガンダム』に登場する。豪胆な性格と面倒見の良さから、部下や内縁の妻・ハモンの信頼は厚い。アムロとはホワイトベースを脱走したとき、とある食堂で偶然出会う。アムロはある意味、不遜で生意気な物言いをするが、逆にランバ・ラルの気に入るところとなった。

 アムロは連邦軍であることを隠し、ジオン軍のランバ・ラルたちを警戒する。しかし、ランバ・ラルはアムロが連邦軍であることを見抜き「戦場であったらこうはいかんぞ」と何事もなく別れた。

 度量の大きさを見せつけられたアムロは大きく影響を受け「あの人に勝ちたい」と思いを口にする。パイロットとしてだけではなく、人間として「超えたい」大きな目標になったのだ。

 ちなみに、ランバ・ラルはアムロ以外にも、ホワイトベースのクルーに大きな影響を与えたキャラクターだった。愛機グフを失ったランバ・ラルたちは、白兵戦でホワイトベースを制圧しにかかるが、作戦は失敗。追い詰められたランバ・ラルは捕虜になることをよしとせず、手榴弾を爆発させて自決した。その覚悟と死に様は、アニメながらに戦争のすさまじさを表現していた。

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