■世界の運命を大きく変えた、コビーの生み出した“勇気ある数秒”

 ルフィが海賊として記念すべき第一歩を踏み出した第2話で知り合ったメガネの少年・コビー。気弱なコビーは、アルビダの海賊船の雑用係として無理やりこき使われていたが、ルフィとの出会いを経て、幼い頃からの夢だった海軍に入ることを実現させている。

 そんなコビーは、頂上戦争の真っ最中にマリンフォード湾岸にいた。火拳のエースが死に、“白ひげ”ことエドワード・ニューゲートも死亡。それでも海軍は戦いを止めようとせず、ルフィの命を狙って攻撃を続ける。

 そこに黒ひげも現れて大暴れする中、ジンベイやトラファルガー・ローが重傷を負っているルフィを救おうと動く。

 海賊、海軍の双方ともに被害が拡大する中、その場にいたコビーは「頭の中から…“声”が…一つ…一つ…消えてくんだ…!!!」と頭を抑えて苦しみの表情を浮かべる。

 そしてローの船にルフィが収容されたのを見た黄猿が攻撃をしかけようとしたとき、コビーは「そこまでだァ~~~!!!!」と絶叫。この声に周囲が注目すると、さらにコビーは「もうこれ以上戦うの、やめましょうよ!!!」「命がも゛ったいだいっ(もったいない)」と続けた。

 この勇気ある発言をしたコビーに、制裁を加えようとした“赤犬”サカズキの拳が振り下ろされたが、間一髪赤髪のシャンクスが阻止した。

 気弱だったコビーの言葉が生み出した“勇気ある数秒”により、たまたまではあるがルフィや、そのとき攻撃をやめていた海賊や海兵の命は救われた。『ワンピース』の序盤しか知らない人からすると、あのコビーが夢を実現し、世界の運命を変える存在にまで成長したことにきっと驚くのではないだろうか。


 これから始まる最終章でも、きっとたくさんの名言が生まれることだろう。今回紹介した大好きな名脇役たちの再登場があるのかはまだ分からないが、連載再開を楽しみに待ちたい。

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