2022年7月22日で連載開始から25年の節目を迎える、尾田栄一郎氏による人気マンガ『ONEPIECE(ワンピース)』。6月27日発売の『週刊少年ジャンプ』(集英社)から、約1か月の休載期間をとることが発表されている。
物語の続きは待ち遠しいけど、このタイミングで過去のエピソードを振り返る読者も多いことだろう。久々に読み返したら「あのキャラのあのシーンはやはりかっこいい!」と再確認できるはず。そこで今回は個人的に心に響いた、脇役たちが輝いた懐かしの名ゼリフを紹介していこう。
※以下には、コミック『ワンピース』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、漫画およびアニメをまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。
■一食に対する恩義……葛藤の末に絞り出した鬼人・ギンの絶叫
麦わらの一味に入る前のサンジが、海上レストラン「バラティエ」で働いていたときのエピソードが印象深い。
50隻の海賊船を率いた“首領・クリーク”の大海賊団は、グランドラインに突入するも、たった7日で壊滅状態に。その首領・クリークの右腕と呼ばれた手下のギンは、命からがら逃れて、餓死寸前で海上レストランにやってくる。
しかし、金を持っていない海賊という理由で店内から追い出されたギンに、副料理長だったサンジが裏でこっそりとピラフをふるまうと、ギンはそれを「面目ねェ」と言いながらかきこむシーンがあった。
サンジに対して命を救われた大恩を感じているギンだったが、無情にも所属するクリーク海賊団は海上レストラン「バラティエ」を我が物にしようと攻撃開始。乗り気でないギンも否応なく戦闘に参加させられることに。
ギンは、仲間内では情のかけらもない冷徹な“鬼人”として怖れられた存在で、サンジを相手にしながら圧倒。トドメを刺す寸前まで追いこみながら、突然ギンは「できません、首領・クリーク」と絶叫する。
そのギンの言葉はもちろん首領・クリークの怒りを買うが、なおもギンは「…あんなに人に優しくされたのは、おれは生まれてはじめてだから……」「おれには…この人を殺せません!!!」と涙を流しながら懇願した。
サンジへの恩義と所属する海賊団のトップの命令に挟まれ、葛藤した末にギンが絞り出した、この魂の言葉が忘れられない。
ちなみにギンは、グランドラインにもう一度挑戦する意思をサンジに告げて別れており、麦わらの一味に加わったサンジと再会する場面に期待しているファンも多いのではないだろうか。