映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』が6月11日に公開され、公開9日間で動員90万人を超える盛り上がりを見せております。そもそも鳥山明氏の漫画『ドラゴンボール』が『週刊少年ジャンプ』で連載していたのは1984年から1995年にかけて。物語が幕を閉じてからすでに約27年が経過しているにもかかわらず、当時から今に至るまでたくさんの少年たちの心を鷲づかみにし続けている、もはや海外の人にすら説明不要のモンスターコンテンツです。
そんな人気作ですから、やはりゲームも数多く登場。連載中にもファミコン『神龍の謎』からスーファミ『超武闘伝』まで多くの人気ソフトが発売されたのですが、RPG好きの人にとってはフリーザ編のさなかに発売となった『ドラゴンボールZII 激神フリーザ!!』の思い出は強いはず。
同作は1991年8月に発売。ちょうどテレビアニメ『ドラゴンボールZ』でフリーザ編がクライマックスを迎える頃に登場したソフトとあって、作中にもベジータとの共闘あり、悟空の宇宙船での重力修行シーンあり、ドドリアさんやザーボンさんやギニュー特戦隊との戦いありで、彼らから逃げながら戦う名場面の数々が再現されていました。
今回は私ヤマグチクエストがファミコンのRPG史においても指折りの名作『激神フリーザ!!』について、振り返ってみたいと思います。
■シリーズおなじみの「すごろく」システムを継承
同作の物語は、ベジータと戦ったサイヤ人編からの続きで、ピッコロが死亡して悟空が重傷を負っている、という状況から始まります。原作とは違ってヤムチャ・天津飯・チャオズが生きているというのが大きな特徴で、ゲームスタート時はこの3人に悟飯とクリリンを加えた5人で始まります。いいですよね、この5人。もうワクワクします。
ちなみに同作は、『ジャンプ』でフリーザ編が描かれている真っ最中に作られたゲームということもあり、原作とはところどころで異なる点があり、先に言ってしまいますが、悟空が超サイヤ人になるきっかけとなるあの名シーンはありません。それだけ聞くと残念に思うかもしれませんが、本作はストーリーを楽しむゲームではなかったように思います。少なくとも私はそうでした。
フィールドマップは『大魔王復活』以降のシリーズを継承したすごろく形式を採用しており、手元のカードを選んで進んでいき、移動後に「運命の選択」を行って、イベントをこなしていきます。この「運命の選択」では8枚のカードから1枚を選び、引いたカードによって敵との戦闘や回復イベントが発生します。
そして、戦闘でもカードを使って技を選択していきます。
このカードゲームという点が当時のRPGの中では珍しいスタイル。ドラゴンボールの世界観とカードバトルの面白さがマッチして、本作にしかない楽しさが詰まっていました。
ストーリーが原作通りじゃないのが気になる人もいるかもしれませんが、少なくともゲームとしての魅力を損なうような事柄ではありません。BGMの種類が少ないのがもったいないですが、聞き心地のよい音楽も多いし、キャラクターの必殺技カットインもかっこいいので、原作ファンの人もぜひプレイしてみてほしいです。