1980年代から90年代にかけて連載された、鳥山明氏の「DRAGON BALL」。世界中に散らばった7つのドラゴンボールをすべて集めると、龍の神様「神龍(シェンロン)」が現れ、どんな願いもひとつだけ叶えてくれるという摩訶不思議な設定。序盤はそんなドラゴンボールをめぐって、無邪気な主人公「孫悟空」が心身を鍛えながら冒険を繰り広げる……というストーリーだった。
本作では、悪者にやむなく殺されてしまった人を生き返らせるためにドラゴンボールが使われるシーンが多いのだが、中には己の欲望を叶えるためだけに集めようとする輩もいた。そこで今回は、神龍に頼んだ&頼もうとした、あまりにも「もったいない願い事」をご紹介したい。
■「ステキな恋人」がほしい
『ドラゴンボール』の作中で、主人公の孫悟空がはじめて出会う人物がブルマだ。ブルマは世界でもトップクラスの大企業「カプセルコーポレーション」の一人娘というお嬢様。男勝りな性格でちょっぴりワガママな部分もあるが、なんだかんだ情に厚く、さらに父親譲りの天才的な発明能力を持つ人物でもある。
そんなブルマはドラゴンボールの微弱な電波を探知して位置を特定する「ドラゴンレーダー」を発明し、ドラゴンボールを探していた。そのブルマの願いとは、なんと「ステキな恋人」。どんな願いでも叶えてくれる神龍に頼むにしては、あまりにもったいない願いに感じてしまう(作中でウーロンもツッコんでいたが…)。
ちなみにブルマは、ほかにも「たべきれないほどのイチゴっていうのもすてがたいけど」などと、社長令嬢なら一瞬でかないそうな願いにも言及していた。
しかし、ブルマは悟空との旅の道中で知り合ったヤムチャと恋仲になると、「むっふっふっふ ドラゴンボールはもういいのよ!」と、あっさりドラゴンボール探しを諦めている。まだ16歳の恵まれたお嬢様だからこそ、そこまで本気でかなえたい願いなどなかったのかもしれない。それはそれで、なんだか羨ましいとさえ感じる。