■オリハルコン戦士や元六大軍団長もダイの元に

 最終決戦で「復活」してダイの仲間になったのはラーハルトとアバンだが、ハドラー親衛騎団のヒムもわだかまりを乗り越えてダイの仲間になっている。そもそもダイには元魔王軍の仲間が多い。ダイの強さや人柄に惹かれた者が仲間に加わるパターンが多く、それこそが『ダイの大冒険』の物語の魅力だろう。

 繰り返しになるが、最終決戦で仲間になったのはヒム。ハドラー親衛騎団の一人で、ハドラーの命が宿ったかのように一個の生命体となった。ダイというよりはヒュンケルとの決着にこだわった結果、ダイの陣営についたといえる。ダイの仲間でもトップクラスの強さで、最終決戦での活躍が期待される。

 また最初に魔王軍から寝返ったのは獣王クロコダインだった。ダイを「太陽」と比喩しており、部下ではないがダイへの忠誠を感じられる。最終決戦では魔界のモンスターやザボエラと戦ったのち、ダイたちと合流を果たすためにバーンパレスへ侵入する。

 ヒュンケルももともとは魔王軍六大団長の一人だった。人間と正義を憎んでいたが、ダイの強さとマァムの慈愛に触れて、寝返った。アバンの一番弟子で「不死身」の異名にふさわしく、数々の強敵を打ち倒してきた。

 元六大団長の一人で、正規の「竜の騎士」であるバランもダイと戦ったのち、魔王軍を離反した。最終的にはダイを守るために全ての力を使い果たし、死亡する。

 魔軍司令ハドラーは当初、野心と保身ばかりの小悪党だったが、武人として覚醒したのちは強力な相手となってダイを苦しめた。ダイとの決着にこだわったハドラーは悪といえず、ポップは「最期は仲間だった」とハドラーの死を悼んでいる。

 物語はいよいよクライマックスを迎えようとしている。大魔王バーンとその幹部たち。ダイと強力な仲間たち。ついに役者はそろったといえる。

 しかし、衝撃の展開はまだまだ続くので、盛り上がりは衰えないだろう。最後の瞬間までダイたちの戦いから目が離せない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3