■変人から有能な指揮官へと変貌を遂げたハンジの苦悩
ハンジ・ゾエは、調査兵団の中でも変わり者として描かれ、捕らえた巨人に対する実験や研究を嬉々として行っていた人物。いわゆる“マッドサイエンティスト”的なキャラクターだ。
エレンが巨人化実験を行った際には、エレンの右腕だけが巨人化。それを見たハンジは大興奮してその腕に触れている。非常に高温を発しているにもかかわらず大喜びするハンジを見て、周りの兵士はドン引きしたほどだ。
そんな好奇心旺盛な変人キャラのハンジだが、意外にも上官としては常識的な思考をする。調査兵団の13代団長、エルヴィン・スミス亡き後、14代団長に就任すると、かつてのマッドでおちゃらけた面は鳴りを潜め、人類のためなら自分の犠牲すら厭わない、熱く優秀な指揮官としての活躍が目立つようになる。
いつでも余裕のある態度を見せてきたハンジも、団長として重大な責務を負うことになると苦悩。単独行動に出たエレンの真意が理解できずに困惑し、「エルヴィン…あんた唯一の失策だ…」「何で私なんか団長にしたんだよ…」と弱音を吐くシーンが心に残っている。