『進撃の巨人』リヴァイ、ハンジ、そしてキース・シャーディスも!? 魅力的な上官キャラに訪れた「印象深い葛藤や挫折シーン」3選の画像
講談社コミックス『進撃の巨人』第14巻・書影より

 諫山創氏による人気漫画『進撃の巨人』(講談社)。2021年6月に最終巻となる34巻が発売され、コミックスのほうは完結しているが、2023年にテレビアニメ『The Final Season 完結編』(NHK)が放送予定だ。

 同作は、圧倒的な力を有する巨人たちと、その侵攻を食い止めようとする人類の戦いを描いた壮大なスケールの物語。作中には調査兵団を始めとするさまざまな組織が存在し、複雑な人間関係、上下関係が描かれている。

『進撃の巨人』の上官キャラと言えば、駐屯兵団の最高責任者・ピクシス司令や、調査兵団のエルヴィン団長などがおなじみだが、今回は個人的に葛藤や挫折のシーンが印象に残った、それ以外の上官キャラについて紹介していきたい。

 

※以下、『進撃の巨人』のネタバレが含まれています。コミック未読の方、気になる方はご注意ください。

 

■人類が誇る最強の兵士長・リヴァイの苦渋の決断

 リヴァイは“人類最強”とも言われている優秀な兵士である。小柄な体格ながら、たった1人で巨人すら倒す強さと技術は圧倒的。

 調査兵団の兵士長を務めるリヴァイは、無愛想で粗暴、かつ高圧的な態度が特徴。それに加えて潔癖症なところもある。任務遂行や目的達成のためには非情に思える判断も冷静に下すが、巨人との戦いで散っていった部下に対しては感情を見せる場面も少なくない。

 また巨人の力を秘めたエレンを管理下に置くという名目で、拘束中のエレンを公衆の面前で派手に痛めつけるシーンがあるが、その真意はエレンの命を守ることにあった。意外と言っては失礼かもしれないが、部下想いである。

 戦場では優秀な指揮官として的確な判断を下すリヴァイだが、瀕死のエルヴィンとアルミンのどちらを生かすかの選択を迫られたとき、初めて大きな苦悩を見せる。調査兵団や人類の存亡を考えたら、この時点の団長であるエルヴィンを生かそうとするのは当然のこと。実際リヴァイも、当初はエルヴィンを生かそうとしたが、結果的に選んだのはアルミンのほうだった。

 エルヴィンが団長として背負った重すぎる責と業。新兵を囮にする、全滅を前提とした恐ろしい作戦を立案し、自ら率いて決行したほどである。リヴァイは、戦友であるエルヴィンをそんな地獄のような現世から解放し、もう休ませてあげるという道を選ぶ。冷酷な戦闘マシンのように思われがちなリヴァイが私情で動いた、印象深いシーンである。

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