2022年7月で連載開始から25年を迎える、尾田栄一郎氏による人気マンガ『ONEPIECE(ワンピース)』。連載はクライマックスに向かい、劇場版『ONE PIECE FILM RED』も8月に公開される本作だが、過去の物語を整理すべく単行本を再度チェックしているファンもいるはず。
『ワンピース』の単行本と言えば「SBS」([S]質問を[B]募集[S]するのだ、の略)と呼ばれる“おまけコーナー”も魅力的なコンテンツで、編集部に寄せられた読者からのお便りを紹介。その中では読者の質問に、“尾田っち”こと尾田栄一郎氏が自ら回答するというやりとりが頻繁に見られる。
より『ワンピース』や作者・尾田栄一郎氏を好きになる面白要素が詰まったSBS……というわけで、今回は筆者がとくに面白さを感じたSBSでのやりとりや回答をご紹介しよう。
■こじつけ回答かと思いきや、ちゃっかり本編で回収!
コミックスの25巻では、読者から「Mr.3は悪魔の実の能力者なのに、なんで19巻の185ページの3コマ目に、水にプカーって浮いてるんですか?」という質問が寄せられていた。
これに対し、尾田氏は「アレはなんと偶然にもMr.3の体の下に“ものっすごい浮く木片”があったんですね。それによってMr.3はものっすごい浮いてたわけです」と回答。“ものっすごい浮く木片”のイラストまで添えていた。このとき大半の読者は「作画ミスをものすごい理由でごまかしたなぁ」くらいの感想を抱いたのではないだろうか。
しかし、そのはるか先のコミックス66巻に収録された653話の本編の中に、フランキーの「浮力の高いこの『クウイゴスの木片』で船体を浮かすんだ」というセリフが登場する。
そして同巻のSBSにも「175話で、Mr.3を浮かせていた『ものっすごい浮く木片』はもしかしてコレ(653話のクウイゴスの木片)と同じものでしょうか!?」というお便りが。
これに尾田氏は「あの時言っていたのはこれの事なんですよ!!」と力説。「当時はみんなアレだろ? 僕がテキトーにその場しのぎで考えたと思ったんだろ? 違うよー。この設定を既にあの時、か、かか…考えてたんだよ…。ま…まま…まじだよっ!」と、最後は少々動揺を見せながら返答していた。
おそらくは小さなミスから端を発するこの一連の流れにたまらない面白さと、ほほ笑ましさを感じたのは私だけではないだろう。