漫画『死にたいと言ってください』で知る「精神保健福祉士」のリアルな現状の画像
『死にたいと言ってください -保健所こころの支援係-』(中原ろく、監修:松本俊彦)
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 コロナ禍も影響しているのか、自ら命を絶つニュースが続いている。相次ぐ有名人の悲報に心を傷めている人も少なくないのではないだろうか。2021年は日本で毎日57人、1年間でなんと2万人以上の人が自殺によって亡くなっている。

 そんな中、『漫画アクション』(双葉社)にて4月から連載がスタートした漫画『死にたいと言ってください -保健所こころの支援係-』(中原ろく、監修:松本俊彦)が注目を集めている。

「死にたい」と悩む人々の相談に応じる保健所を舞台に描かれた本作。自殺願望のある人たちに優しく寄り添い、社会参加を手助けする「精神保健福祉士」という職業の“リアル”を知ることができる。

■主人公・基羊介の職業は「精神保健福祉士」

 会社員時代にお世話になった上司を自殺で亡くしたことがきっかけで脱サラし、精神保健福祉士になったばかりの主人公・基羊介。自殺未遂を何度も繰り返す相談者や、その家族と向き合い、どのような支援を行えばよいのかを模索しながら奮闘する日々を送っている。

「精神保健福祉士」とは、1997年の精神保健福祉士法施行に伴って誕生した「精神科ソーシャルワーカー」とも呼ばれる国家資格。精神的疾患がある人の生活を支えるために、相談や生活支援、社会参加の手助けなどを行うなど、“自殺大国”とも言われる今の日本には欠かすことのできない存在となっている。

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