■素顔を隠す蛇柱・伊黒小芭内

 最後の天才候補として推したいのが、「蛇柱」こと伊黒小芭内(いぐろ おばない)。彼は左目が青緑、右目が金色というオッドアイで、実は右目はほとんど見えていない。口の周りを包帯で隠し、首に相棒の白蛇を巻きつけている黒髪の青年である。

 162センチ、53キロと小柄で華奢な体格。コミックで明かされた「柱の腕相撲ランキング」では最下位の胡蝶しのぶに次ぐブービー。作者の吾峠呼世晴氏によれば、腕相撲の強さだと炭治郎よりも下らしい。また『鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』で紹介された「柱俊足番付」でも、下から三番手だった。

 それなのに天才剣士候補に挙げたのは、やはり鬼舞辻無惨との最終決戦で見せた獅子奮迅の活躍が大きい。この戦いの中で伊黒は、身体能力を大幅に向上させる痣(あざ)を発現させ、日輪刀を赫刀化させることにも成功。それだけでなく厳しい鍛錬の末にたどり着く境地「透き通る世界」にまで到達している。

 柱の中で「透き通る世界」に至ったのは、時透無一郎と悲鳴嶼行冥と伊黒だけという事実。無一郎のような血統的な裏づけがあるわけではなく、悲鳴嶼のような人並み外れたパワーがあるわけでもない。それなのにこれだけの成果を出したのだから、彼らに匹敵する天才剣士候補の1人に加えてもおかしくはないはずだ。

 すでにテレビアニメ第3期「刀鍛冶の里編」の製作が発表されており、まずは時透無一郎の活躍が映像で見られる日も近いはず。伊黒小芭内や悲鳴嶼行冥の本当の出番はこれからなので、そちらにも期待したいところだ。それに、もちろん今回紹介した柱の3名以外にも、素晴らしい才能を秘めた剣士はたくさんいる。あなたが思う『鬼滅の刃』の天才剣士は誰になるだろうか……!?

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