アニメや漫画を見ていると、かなりの強さを持つものの、思った以上に早い段階で物語から退場するキャラたちがいる。そのインパクトの強さゆえに名物キャラとなる一方、彼らの退場には肩透かしを喰らったような、どことなく残念さを感じるのも事実。作品のファンとしてはその突然の退場の裏に何かただならぬ理由を想像してしまうものだ。
■強すぎたもののバトルから退場してしまったキャラたち
まずは荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』第5部のパンナコッタ・フーゴや冨樫義博氏の『HUNTER×HUNTER』のノヴ。彼らは他を圧倒するほど強力な能力を持ったキャラだが、エピソードの最後まで辿り着くことなくやむなく退場をしており、「強すぎたために退場した説」が挙がるキャラでもある。
フーゴは『ジョジョ』第5部で主人公たちとともにボスの娘・トリッシュを護衛するギャングチームのひとり。彼の能力はそれまでのシリーズの中でもひときわ凶暴で、彼の使うスタンド「パープル・ヘイズ」が発動すると、周囲に敵味方関係なく数十秒で死にいたる殺人ウイルスがばらまかれる。フーゴ本人も制御できない能力で、本編ではイルーゾォ戦での一度しか披露されることはなかった。
フーゴはこの後、ボスを裏切ることを決意したリーダー・ブチャラティたちの判断についていけずチームから離脱。あまりに凶暴な能力ゆえに、ファンの間では作者が扱いきれなかったために退場させられたのではないかという憶測が飛び交ったが、荒木氏は過去にゲーム本のインタビューで「フーゴを裏切り者にしたくないがための退場」と説明。実際のところは、フーゴは初期設定で「仲間を裏切ってジョルノたちの前に敵として立ちはだかる」という構想があったが、作者である荒木氏が彼を裏切り者にしたくないと考えて途中退場というプロットに変更したという。
とはいえ、同じインタビューで荒木氏は「扱いにくかったスタンド能力は?」という質問に対して「フーゴですね。危なすぎて」とも回答している。フーゴの最強能力に荒木氏も困り果てていたというのはあながち間違いでもないようだ。