『ハンター×ハンター』冨樫義博らしい“制約と誓約”の恐怖 カイト「クレイジースロット」、クラピカ「エンペラータイム」など、リスクありすぎな念能力3選の画像
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 冨樫義博氏が描く人気漫画『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1998年から連載が始まり、2018年11月から現在に至るまで休載が続いている。

 連載の再開を心待ちにする根強いファンが多い同作は、大自然の中で生まれ育った少年ゴン=フリークスが父親に会うために同じ“ハンター”と呼ばれる職業につき、成長を遂げていく物語。その作中に登場する“念”と呼ばれる特殊能力が、戦闘の大きなカギになっている。

 その念能力には「制約と誓約」という概念がある。「制約」とは能力を使用するための前提条件のようなもので、この制約の内容が厳しいほど高い効果を発揮。そして、それに加えてさらなる対価を差し出すことで、より強い念能力を生み出すとされるのが「誓約」だ。やみくもに強力な能力が使えるワケではないというのが、いかにも冨樫氏の作品らしい。

 そこで今回は『ハンター×ハンター』に登場した主要キャラクターの念能力から、いろんなリスクが見受けられた特長的な3つの能力を紹介したい。


※下記内容には『ハンター×ハンター』のネタバレが含まれています。コミック未読の方はご注意ください。

■ギャンブル性の高い能力をもつカイト

 ゴンの父親のジンを師匠に持つカイトは、さまざまな武器を器用に扱う戦闘スタイル。念能力の「クレイジースロット」は、鎌や銃などの9種類の武器を出現させるというものだ。

 しかし、どの武器が現れるかはランダムで選ばれるため、カイトに予測は不可能。戦略がカギを握る念能力での戦闘において、相手や状況に応じた能力が選べないのは大きなリスクと言えるだろう。

 さらに出現させた武器は一度使用しないと消えないのもリスクの一つで、カイトはたびたび「面倒な能力だ……」とボヤいている。

 キメラアント編でカイトはネフェルピトーとの戦いに敗れ、死んでしまったものと思われていた。ところが、女王アリのお腹から生まれた最後の子どもが、自分の名前はカイトだと主張しており、ゴンとの会話シーンを見てもカイトの記憶を持っているように思えた。

 カイトに念能力を教えたジンは、カイトのクレイジースロットについて「『ゼッテー死んでたまるか』って本気で思わねーと出ねー番号がある」と語っていたこともあり、カイトが生まれ変わったのはクレイジースロットの能力によるものかもしれない。

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