■剣心不在の窮地を救った頼もしき存在
続いては和月伸宏氏の『るろうに剣心』に登場するシーンから。緋村剣心が志々雄真実のアジトに向かい不在の中、京都の料亭「葵屋」は志々雄一派の襲撃を受けます。
弥彦、薫、操たちはボロボロになりながらも懸命の抵抗を続けますが、そこに現れたのが精鋭「十本刀」の一人、破軍の不二。人間離れした巨体からとてつもないパワーで繰り出した一撃は、葵屋の建物を難なく粉砕し、一同の心までへし折ります。
それでも「誰が何とぬかそうと俺は剣心を信じるんだ!!」と絶叫した弥彦の頭上に、不二の攻撃が振り下ろされた瞬間、どこからともなく現れたのは剣心の師匠である比古清十郎でした。
不二が繰り出した強烈な大刀を軽々と受けとめた比古は、圧倒的なパワーで刀を破壊。その頼もしすぎる後ろ姿に、薫や操が歓喜の声をあげたのも当然の、カッコ良すぎるシーンでした。
それに比古は、弥彦たちの窮地を救っただけでなく、これまで強すぎるがゆえに化物と呼ばれ、全力を出せる機会がなかった不二に対して正々堂々と対等の戦いを要求。不二に、武人としての歓喜の涙を流させたのも印象的な場面です。