■「ハム語」コンプリートだけでない、豊富なやりこみ要素
ゲームを進めるうえでキモとなるこれらハム語は、ゲーム中に少しずつ覚えていくことができる。
原作を考えるとメインターゲットは小学生あたりになりそうだが、そのかわいさとは裏腹にメインクエストはかなり骨太。「トラハムくん」や「リボンちゃん」や「めがねくん」など、アニメでもおなじみのハムちゃんずを連れて返ることになるが、キャラクターに話しかけたり、手に入れたアイテムを渡したり、怪しいところにひたすらハム語を試していくことでフラグが立っていく。これがなかなか自由度が高くステージも広いため、自力では先に進めなかったという子どもたちもいたのではないだろうか。
ただクリアを諦めて、ひたすらハム太郎の世界に没頭するのも同作の楽しみ方のひとつだったりする。ゲームを攻略することを目的とせず、ひたすら走り回って、ハムちゃんずたちとハム語で会話して、ブラブラしながら「こいし」や「ほし」といったアイテムを集めていくのも楽しかった。おまけに各地にあるブティックでは衣装を購入でき、地下ハウスにある部屋でお着替えして写真に撮るなんてこともできた。いわば、後の『どうぶつの森』のような癒しゲームを先取りした内容もあったのだ。
ゲームとしても高い難易度でやり応えがあり、やりこみ要素も豊富。なおかつゲーム攻略を目的とせずとも、いろいろな楽しみ方ができる。どんなプレイヤーも放置しないゲーム性こそ、このゲームが神ゲーと呼ばれ、今でもファンの絶えない作品となった理由なのではないだろうかと思う。