2020年に『真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER』(アトラス)、2021年には『真・女神転生V』が発売。そして2022年8月には『ソウルハッカーズ2』が発売予定。数十年ぶりに『メガテン』シリーズが立て続けにリリースされ、盛り上がりを感じているファンも多いのではないでしょうか。
新作が出るたびに「どの作品が一番面白いか!?」なんて話題に花が咲くのもシリーズもののお約束。イチオシのタイトルをアツく語り合うのも醍醐味ですが、私個人としては「ファミコンの『女神転生II』に決まってるだろ!」と断言します。
ファミコンに登場した初代『デジタル・デビル物語 女神転生』(ナムコ)を原点とするならば、『女神転生II』はシリーズの方向性を決めてしまったほどのインパクトを持つ傑作なのです。
■4大RPGの一角にして、もっとも怪しい魅力を放つ『女神転生II』
今から32年前の1990年4月6日に発売された『デジタル・デビル物語 女神転生II』(ナムコ)。その前後に発売された『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(エニックス)、『ウィザードリィIII』(アスキー)、『ファイナルファンタジーIII』(スクウェア)とあわせて、“4大RPG”などと呼ばれたこともありました。
前作『女神転生』から世界観が一新され、199X年に起こった最終戦争で崩壊した東京が舞台。地下シェルターで暮らしていた主人公が「デビルバスター」というゲームをクリアしたことをきっかけに、東京を支配している魔王と戦うために悪魔が跋扈する地上へと踏み出すという物語です。
本作は2Dのフィールドと3Dダンジョンの組み合わせ。そして悪魔合体は3体合体が可能になり、前作からシステム面は大きくパワーアップ。それ以上に魅力的だったのが、前作とのつながりを匂わせつつ、東京と後半に訪れる魔界を舞台に、神や悪魔の勢力争いに巻き込まれるというスケールの大きいストーリーでした。
現在までのナンバリングシリーズのほとんどが“東京を舞台”に、“ロウとカオスの悪魔の争いに巻き込まれる”という『女神転生II』の要素を踏襲。これらがないメガテンに違和感を抱くファンも多いと思います。このファミコンの『女神転生II』こそが、メガテンファンに30年以上も続く“違和感”という呪いを植えつけた、危険かつ魅力的なRPGなのです。