■萌の漏れ出た嫉妬心「リナ彼氏たくさんいるもんね」
続いては、第4章「Knockin’ on Heaven’s Door」の主人公である女子大生の萌。普段はエスニック系など女性らしさを感じさせない格好をしておりサバサバした性格の萌は友人たちにせがまれて、自分の行きつけの新宿二丁目のバーに皆を連れて行くこととなる。
それまでは萌の大切な居場所だったバーだが、物珍しさなどもあって、話題は店に来た友人のひとりである、顔良し性格良しの美人・リナの話ばかりに。リナのブレスレットを見た店員に「彼氏さん(からのプレゼント)ですか?」とチヤホヤされるリナの姿を見て萌は、つい「リナ 彼氏たくさんいるもんね」と悪態をついてしまう。
基本的には優しい性格の萌はすぐに反省し「リナはいい子だってわかってる」「そんな完璧な子に どうして自分があんなこと言えたんだろう」といてもたってもいられない自己嫌悪に陥る。このようなやりとりは日常でもついやってしまう「あるある」だろうが、誰の心にも、無意識のうちに自分より優れた人物に対する嫉妬心を抱いているものだ。
この回のコメント欄では「自分の居場所に侵入されるのが嫌な感じ、わからなくもない」「リナみたいなタイプが真横にいると、しんどくなる萌の気持ちめっちゃわかる」「面と向かってブス呼ばわりされるより、かわいい子と自分での扱いの差に感づく方が精神的にくるよね」と共感を呼んでいた。
萌の場合はこれまで周りから女性扱いされてこなかったことへのコンプレックスがあった。実際にこの後、萌は自分を女の子扱いしてくれるホストにハマり、夜のお店でホスト通いの資金を稼ぐこととなってしまう。