■ゆあてゃの恐ろしすぎる「痛マイク」
最後は、同作屈指の人気キャラ「ゆあてゃ」の、ホストのシャンパンコールでの「被り」に対する強烈なマウント発言。
ゆあてゃは、お気に入りのホストに入れ込む、見た目はいわゆる「地雷系」女子。メンヘラな気質もあり、たびたび担当ホストのハルヒと言い争いになっている。またホストクラブで「被り」と呼ばれる、同じホストを指名する女性と居合わせてはそのたびに情緒不安定になってしまう。
そんなゆあてゃは、ハルヒにシャンパンを入れたときにのコールで「わたしの担当〜 おばさんにも優しくできて しごでき(仕事ができる)だなって思いましたー」と、被りに対して激しく牽制。さらには「はるぴはー 靴下裏返しのまま脱がないでくださ〜い」とマイクで言い放った。これは、ハルヒと自分が同棲している間柄だという匂わせ発言。ホスト界ではこのようにコールで「痛いこと」を言うのを「痛マイク」というが、被りを切らせようという、ホストにとってもかなり困る発言となっている。
ちなみにこのゆあてゃのセリフは、作者のをの氏がオタクホストとして有名な阿散井恋次氏と行った対談の中で、阿散井氏の実体験として出てきたもの。ホストというのはかなり恐ろしい世界のようだ。
その描写のリアルさからハマる女子の絶えない『明日カノ』。現在は40歳女性を主人公とした新章「What a Wonderful World」がスタートしており、また同世代の読者から共感を呼んでいる。ドラマ化の前に、男性にも是非読んでほしいところだ。