2022年4月よりMBS系にてドラマ放送される『明日、私は誰かのカノジョ』(通称:明日カノ)。原作はをのひなお氏による漫画で2019年5月からウェブコミック配信アプリ「サイコミ」で連載されると、SNSを中心にたちまち人気となった作品だ。
同作では、レンタル彼女のアルバイトをする女性や、寂しさからパパ活をする女性、整形を繰り返す女性、初めてホストにハマった女性など、さまざまな女性たちの人生がオムニバス形式で描かれる。
人気の理由のひとつは、作品に登場するカノジョたちが「周りにいそうなほどリアル」なこと。現在までに7名の主人公の恋愛や人生が描かれているが、どの主人公も読者の共感を集めており、毎週金曜日に最新話が公開されるたび『サイコミ』のコメント欄には数千にも及ぶ読者の声が寄せられる。これは同アプリの連載漫画の中でもズバ抜けて多いコメント数となっている。
また作品の世界観は現実世界とリンクしており、コロナウイルス感染症が漫画の中にも影響を及ぼしていたり、新宿・歌舞伎町のトー横など、実際の地名やスポットが頻出したりと、彼女らが確かに生きていることを感じさせる作りとなっている。
女性たちのリアルな心情を描いているからこそ、作中に多く登場するのが「女の本音」。つい共感してしまうものから、嫌悪感を感じるもの、男性からすると恐怖を感じるものまで、その受け取り方は読者によってさまざまだろう。そこで今回は、『明日カノ』本編に登場した怖い女の本音を紹介したい。
■「猫に小判! 馬の耳に念仏! 豚にデパコスなんだよ!!」
まずは第3章「1mm」の主人公・彩のセリフから。彼氏に年齢を偽っており、実はアラフォーの彼女は整形依存症。
そんな彩が彼氏の友人の家に同行することとなり、そこで化粧っ気がなく太っている彼氏の友人の妻を見て信じられないと驚く。
妻・ハルカは彩に気を使い「化粧品何使ってるんですか?」と聞くが、外見史上主義の彩いわく“デブス”のままで平気で過ごすハルカは理解の範疇外のようで、「美しくなることに興味ないくせに、とりあえずで会話すんな!!」と憤り「猫に小判! 馬の耳に念仏! 豚にデパコスなんだよ!!」とモノローグで罵倒するのだった。
美しくあるためにレンタル彼女の仕事をしてまで整形を繰り返す彩にとっては、外見が劣っているにもかかわらず自分よりも幸せそうなハルカの姿に言いようのない怒りや困惑を覚えたようだ。
「豚にデパコス」はかなりの暴言にも聞こえるが、この回へのコメントには「何も努力しない人に対してイライラする気持ちわかる」「直接相手に言ったり空気を悪くしてるわけでもないし、ムカつくと思ってしまうのはしょうがないのでは?」と寄せられていた。なお2021年春にサイコミ上で「明日カノ名言投票」という読者による投票企画が行われており、「豚にデパコスなんだよ」のセリフが堂々2位に。美に執着してたゆまぬ努力を続ける女性たちにとって、共感の嵐となる名言だったようだ。