■技の豊富さは作中屈指!天津飯の正体に起因?

 舞空術ももともとは天津飯とチャオズたち鶴仙流のもので、後に悟空やクリリンも多用する「太陽拳」も天津飯のオリジナル技。さきほどの「気功砲」や「魔封波」など、“技のデパート”ともいえる多彩な技を操る天津飯だが、中にはその仕組みが分からない謎な必殺技もあったりする。

 とりわけインパクトがあるのは、背中から新しく2本の腕を生やす「四妖拳」と4体に分身する「四身の拳」。どちらも作中で1度しか使われていないが、「気功砲」と並ぶ天津飯を代表する技だろう。

 彼のこれらの技を見て、「本当に人間なの?」と思った子どもたちは多いと思うが、これにはしっかりと理由がある。

 実は、天津飯は地球人ではないのだ。原作では語られていないが、ドラゴンボールの設定などを紹介した公式資料集『ドラゴンボール大全集』によると、天津飯は「三つ目人」という宇宙人の末裔で、先祖返りした特異体質者。「四妖拳」や「四身の拳」は鶴仙流の技ではなく、天津飯ならではの技ということだ。筆者が幼い頃は「目が3つある天津飯は地球人なのか」などと言っていたが、まさか公式設定だとは思いもしなかったから衝撃だ。

 天下一武道会で亀仙人に「明るい道を歩め」と教えられた後、ストイックに自分の戦い方を探し続けた天津飯。その硬派な生き様は、ランチでなくても惚れてしまうカッコよさがある。

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