1968年に月2回刊誌として創刊された『週刊少年ジャンプ』(集英社)。バトルやファンタジー、ラブコメなどさまざまなジャンルの人気作があるが、中でも常に2〜3作前後は連載されているのがギャグ漫画。どの年代の読者でも、すぐに思い出せるような強いインパクトを持つキャラや記憶に残っているエピソードがあるはず。
ギャグ漫画の魅力の一つは、長編ストーリーものの作品ではなかなかできないような常識を度外視した展開が可能なことだ。『ジャンプ』漫画といえば主人公だけではなく、敵サイドにも「最強」の名がふさわしいものすごい必殺技を持つキャラが多数登場したが、ギャグ漫画も負けていない。そこで今回は最強の技を持つ『ジャンプ』のギャグ漫画のキャラクターたちの魅力をふりかえってみたい。
■バトル漫画の名物技まで使いこなす「鼻毛真拳」
まずは、読者に強烈なインパクトを与えた澤井啓夫氏による『ボボボーボ・ボーボボ』(2000年〜2007年連載)。人類を丸坊主にするべく結成された毛狩り隊から、人類を守るために立ち上がった主人公のボーボボが使うのが、究極の拳法「鼻毛真拳」だ。
ボーボボは金髪のアフロヘアにサングラス、胸元のあいた青いシャツから筋骨隆々の体がのぞいているという、一度見たら忘れられない外見もさることながら、最も印象的なのが存在感のありすぎる鼻毛。戦うときは鼻毛が異様なほど伸び、ムチのようにしなって相手を攻撃する。
しかも彼は鼻毛による攻撃だけではなく、『ドラゴンボール』のかめはめ波や『キン肉マン』のマッスル・スパークなど他の漫画のキャラの技を使ったり、不条理すぎる展開で流血沙汰にすることもある。
またうすた京介氏による『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!! マサルさん』(1995年〜1997年連載)の花中島マサルもかなりのツワモノ。彼の使う謎の格闘技「セクシーコマンドー」は相手のスキを引き出して、そのスキを狙って攻撃するというものだ。油断させるための技がセクシーコマンドーであって、攻撃自体はあくまで普通のものだが、この技にやられたらかなり悔しい思いをすることになるだろう。さらに肩についた謎の輪「オレのチャームポイント」も刺さると痛そう。『マサルさん』は全編通して不条理ギャグのオンパレードなので、常識が通用しないという意味では最強かも。