■40年の歴史は伊達じゃない! 作者も再現できないほどの変化を果たす

 そして第1位(15.0%)となったのは、1976年から2016年まで連載された秋本治氏原作の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。コミックスは全201巻まで発売された、漫画好きなら知らない人はいないであろう作品だ。

 40年もの長期連載をしていたため、絵柄は複数回にわたって変わっている。連載当初は劇画調タッチで線が多いが、連載が進むにつれキャラクターが丸みを帯び、シンプルに変化。また絵柄の変遷に合わせてか、言動まで変化していったキャラも少なくない。

 またギャグマンガらしく、絵柄の変化をネタにしたエピソードもあり、初期の絵を描くときは当時の自分の絵柄を真似て描いていたようだ。コミックス200巻収録の連載最終話「40周年だよ全員集合の巻」では懐かしのキャラクターが再登場。性格も絵柄もまったくの別人で、主人公の両津勘吉(りょうつかんきち)が「当時の絵はもう描けない」とメタ発言をしている。

 今回寄せられた票では、「初めて読んでいたのが70巻あたりだったので、振り返って1巻を読んだときに絵柄の違いにビビった」(37歳・男性)、「1巻を読み返すと両津も中川も”誰!?”ってなる」(41歳・男性)、「昭和平成と描き続けて絵柄も時代に合わせて変わっていった漫画だと思います。秋本先生は改めてすごい漫画家だと思います」(36歳・女性)といったファンそれぞれの思い出深い声があった。

 4位以降にもさまざまな作品がランクインした今回のアンケート結果。連載後期の洗練されたタッチはもちろん、初期の絵柄もその作品の歴史のひとつ。あなたの好きな漫画は、ランキングに入っていただろうか。

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