■自らの分身に苦しめられる仲間想いのヴィラン

 続いて紹介するのはトゥワイス。トゥワイスはヴィラン連合のメンバーとしてヒーローと敵対し、触れたものを増やす個性「二倍」を駆使してヒーローを苦しめた。

 個性の影響で人格が分裂し、苦しんでいる様子がリアルに描かれる。一方で、とても仲間想いでやさしい性格のキャラでもあり、トゥワイスが好きな読者も多いのではないだろうか。

 トゥワイスは両親がおらず、職場でトラブルを起こしてしまったことから、完全に孤独の身となった。寂しさを紛らわすために、個性を使って自分を増やし、話し相手にしていた。次第に行動がエスカレートし、何人にも増やした自分を子分のように扱う。そして不満を持ち始めた「自分たち」が殺し合いを始め、トゥワイスは自分が「本体」か「分身」かも分からなくなってしまうのだった。

 それがトラウマとなり自身を増やせなくなるが、異能解放軍との戦いで克服。無限に自分を増やす「哀れな行進(サッドマンズパレード)」の圧倒的な数で、相手を蹂躙した。

 ヒーローとの全面対決ではNo.2ヒーローのホークスと対峙するが、圧倒的な力の差に敗北し、明確に殺されるシーンが描かれる。実は、作中でヴィランが死亡するシーンは少なく、ヒーローに殺されたのはトゥワイスが初めてだ。その性格や生きざま、死にざまが涙を誘い、ファンになった読者も多いだろう。

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