■小学校1年生にして山猿の大群とタイマン

 その後、平八はすくすくと成長し小学校1年生に。だが、町の名門小学校に入学するものの、上級生に絡まれた弾みで初代校長の像を木刀でたたき落とし、入学初日で退学処分となってしまう。

 持ち前の喧嘩の強さと、父譲りの気性の荒さが災いして村一番の悪ガキと噂されるようになった平八。その後転入した村の小学校では、同級生のサッコを無神経な発言で傷つけてしまい、その償いとして、農家を営む彼女の家を苦しめる山猿を倒すため、単身山猿たちのいる山へと向かうのだった。山猿の大群とタイマンを張ろうと勇む平八の姿は、思わず小学生であることを忘れるほど。塾長の片鱗をのぞかせる少年・平八の奇策にもぜひ注目してほしい。

■11歳にしてトビ級で大学へ!さらには海軍で暗躍

 平八の無双っぷりはさらに加速していく。月日が流れ村の小学校にも慣れた頃、神童ぶりを発揮しなんと11歳にしてトビ級で東京帝国大学に入学してしまう。大切な友人を守るために戦ったり、友人と飲んだ帰りに誘拐されたり……破天荒な学生生活を送りながらも、最年少にして最優秀の成績で大学を卒業。その後、江田島海軍兵学校を経て、陰の部隊・天下無双隊の隊長として第二次世界大戦下で暗躍していくのだった。

 荒くれ者の集う「男塾」で塾長として唯一無二の存在感を発揮する江田島平八。『天下無双 江田島平八伝』は、そんな彼の原点をかいま見ることができるような内容となっている。また、『魁!!男塾』にも登場する彼の盟友たちとの出会いが描かれているところもファンにとってはたまらない。ぜひこの機会に読んでみてほしい。

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